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「機動戦士ガンダム」のこと。記録全集のこと。

1978年に私は松竹へ入りました。そして1980年の秋に、会社が「機動戦士ガンダム」の配給権を得たので、私は宣伝担当に任命されました。当時、映画業界は斜陽産業と呼ばれ、日活、大映が倒産し定期採用を長い間していませんでした。私は、5年ぶりの定期採用でした。
若い社員が少なくて、私の宣伝チームは、父親くらいの年齢のチーフと、私の5年くらい先輩との3人チームでした。私はガンダムのテレビ放送を見ていなかったのであまりよく知らず、アニメージュで知るくらいでした。もとはヤマトファンなので。
チーフプロデューサーに、「アニメはよくわからないので、こんどう君頼むわ」と言われ、会社に提出する企画書を書くことになり、朝日ソノラマの富野さんの「ガンダム」の小説を読んだのはいいのですが、アニメを見ていない私には難解で、今みたいにビデオやDVDがない時代なので、(Uマチックという業務用VTRはありました)ストーリーがわからないので困った挙句、記録全集というテレビアニメの設定本があると聞いて、サンライズ(当時は日本サンライズと言っていました)に買いに行きました。上井草北口すぐの自転車屋の2階がサンライズの直営の売店になっていて、記録全集を5冊ほど売っていたように思います。当時、1冊2700円くらいして、とんでもない高額なのでびっくりして、ぼるなあと思いながらも会社の経費だからと領収書をもらって全巻買いました。
中身は、設定、メカ設定の絵が豊富にのっていて、脚本に松崎健一さんがいましたが、彼が「スタジオぬえ」の人で、SF設定をスタジオぬえがやっていました。当時、松本零士メカもそうですが、ヤマトやとにかくSF設定というとスタジオぬえでした。ここは、「ダーティペア」「クラッシャージョウ」の作者の高千穂遥さんが社長の会社です。
記録全集を読み解くところから始めました。各話のあらすじものっていて、企画書をつくるには便利でした。
文章もわかりやすくたいそう助かりました。それにしてもスペースコロニーやモビルスーツ、ミノフスキー粒子などとよくもまあ、いろいろ考えるなあと、感心しました。すでにスターウォーズも出ていた時代なので、その影響も受けていると私は思いました。モビルスーツの概念は、私は、SF研究会にいたとき、ハインラインの「宇宙の戦士」を読んでいて、パワードスーツを知っていたので、あまり驚きませんでした。
あとで、サンライズの幹部に聞いた話では、本当は、ガンダムもザクもモビルスーツは、等身大に作りたいというのが作り手の考えなのが、アニメのスポンサーの関係で、とにかく巨大ロボットを主人公にしないと企画が通らないので、巨大ロボットを先に作って、赤、青、白、黄色に塗っておけば企画が通るので、あとはザクなどは好き放題やったという話を聞きました。そういえば70年代のロボットは、マジンガーZ以来、そんな色でしたよね。
ちなみにガンダムの型番はRX -78ですが、当時、マツダのスポーツカーでRX-7というのがあったので、それからきたかなと思いました。78というのは1978年の企画ということかなと思っていました。
これには諸説あるそうです。

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