インドのナグプール(南天竜宮城)に行った話6(タイ遍)
(続きから)
タイには結構長く居ました。
22歳のとき初めて旅した国がタイだったのもあり、タイはどんな外国よりも落ち着きます。
バンコクのカオサン通りという、バックパッカーの聖地(もう過去の話か!?)に宿をとり、私はひたすら本を読んだり酒を飲んだりして過ごし自堕落な生活をしておりました。
日本にいた好きな女性を残していたこともあり、旅に持ってきていた「闘う仏教」という本に出てくる、佐々井秀嶺師がインドで出会った日本女性との恋愛と別れによって、性欲も含めた人間の欲を大肯定するお経「理趣経(りしゅきょう)」の真理を悟った話は、読んでて興味深かったです。
私の場合は付き合っていたわけではなかったですが、半分フラれそうな状態だったこともあり、佐々井師とその女性の別れを自分に重ね合わせてしまい、異国の地でそれを読むのが何だか辛かったです。
それにしてもバンコクでの日々は暇でした。
昔はどこに行っても日本人と会ったのに、その頃から日本人の旅人がかなり少なくなっていましたので日本人にも会いません。
昔はあれだけ楽しかったカオサンロードも、全然楽しくなかったのです。
もうバックパッカーするのも潮時かな、とも思ったものです。
とにかく私は自堕落な生活は早く止めたい、せっかくタイにいるのだから有意義なことせねばと焦っておりました。
そうだ世界一周していたときに一週間くらい瞑想と托鉢をしたお寺「ワット・スワンタワナ-ラーム」へ行こう!
私は、その3年くらい前に、「ワット・スワンタワナーラーム」という、カンチャナブリのまだ先のサイヨークにあるお寺で、一週間くらい泊まらせてもらい、托鉢と瞑想をさせてもらったことがあります。
私は、急遽そこに行くことにしました。
そこの住職はアーチャン・光男・カヴェサコ―という日本人で、タイでは誰もが知る高僧でした。 「アーチャン」とはタイ語で「住職」とかいう意味です。
前回このお寺に来たときはアーチャン・光男師とはあまり接触がありませんでした。 そ二回目は会いすらしませんでした。あまり縁がないのでしょう。
しかしその代わり、アーチャン・光男師の弟子のアキさんという、見た目がヤクザみたいな日本人の坊さんには、一回目も二回目も色々とお世話になり、精神的な教訓を与えてくださいました。
アキさんは私の中では心の師匠といっても良いかもしれません。
今回も、私が滞在の手続きをとっていた時にアキさんがやってきて
「君、ここに来るの初めてじゃないよね?」
と話しかけて来て、到着して間もないのにいきなり、「この世は自分の鏡写しなんだよ」とかなんとか、「引き寄せの法則」やらなんやら、精神世界の面白い話を色々とレクチャーしてくれました。
私はアキさんから、自分の「思考」と「言葉」、そして「呼吸」に氣をつけることの大事さを学びました。
アーナパーナサティという自分の呼吸を常に意識をおく瞑想法は、前回の滞在で教えてもらいましたが、今回もそのアーナパーナサティの重要さを強調していました。
ちなみに「アーナパーナサティ」とは、禅宗でいうところの「数息観」ですが、「安般守意(あんぱんしゅい)」と音訳され「仏説 大安般守意経(だいあんぱんしゅいきょう)」という仏典として日本にも伝わっているようです。
禅宗の「数息観」では丹田を意識させますが、アーナパーナサティでは呼吸をするときの鼻にかかる息の感覚にひたすら集中させます。
アキさんは、こう言います。
「いろんな瞑想法があるけど、アーナパーナサティはもっとも基本的な瞑想法で、かつ最終的に皆この瞑想法に戻ってくるというほど重要なんだ。これさえ徹底的にやってれば間違いはない」
私はこの寺に滞在中は、朝四時からのお勤め、托鉢に参加し、暇なときは瞑想の練習をし、アキさんにつかまってはいろんな話をしました。
アキさんが旧約聖書に出てくる、アダムとイブに「善悪を知る木の実」を勧めたヘビをチ〇コに例え、だからセックスしたりオ〇ニーしたら「エデンの園」である「お寺」から追放されるんだ、だから戒律があるんだ!など言っていたのが印象深く、思い出します(笑)
また、アキさんは、自分がやった「引き寄せの法則」の実験などを聞かせてくれました。
瞑想をしながら、飛行機のビジネスクラスに案内される情景を詳細に思い描き、それを何度も何度も繰り返す、そして最後は必ず感謝の気持ちを込めて「ありがとうございました」と締めくくる、そんなことを繰り返していると、ある日インド行きの飛行機で本当にビジネスクラスに案内され、同じことが起こった、と。
まあ、タイというお国柄、お坊さんは本当に大切にされるので、このようなことは普通にあり得るといえばあり得るのかもしれませんが、私はその話に衝撃を受けまして、自分でも実際に実験しました。
私の場合は、その当時好きだった女性にどうしても送りたいメールがあったので、メールが使えるはずがないそのお寺で彼女にメールを送ることを瞑想中に何度も思い描き、本当になるかどうか実験しました。
(キモいな。。w)
実験は成就しました。
滞在中いきなり、アキさんが、ネパールの国賓になっている有名なヒーラーのKさんという人のメルマガを登録したら運がよくなるから登録しなと、使わせてくれるはずのないパソコンを使わせてくれたのです。
メルマガに登録するのだから、当時使っていたヤフーメールにログインし、そのネパールの国賓のヒーラーKさんのメルマガを登録し、その後実際にその子にメールを送ったのを覚えています。
けっこう衝撃的でした。
繰り返し瞑想で思い描いたことが、現実に起こったのですから。
「俺の人生、思い通りになるんじゃねえ!?」
と、その後の私は勘違いを起こして、何でもかんでも妄想してりゃ思い通りになるという間違った思い込みをするようになり、痛い目をみることになるのですが、精神力が現実世界に与える力はやはりちゃんとあるということを知ったのでした。
続く
※タイの話はまだ続きます。
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