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吹雪のピンチと救世主

窓の外は吹雪だ。
西から吹く強風に細かな雪が地面と平行に飛び去っていく。

昼過ぎに家の敷地を見て回った限りだと、東西方向の通路は風に流され雪がつもりさえしていなかった。
一方で南北方向の通路はかなり雪が積っていた。

つむぎのお迎え前に雪かきしなければ。

年末調整の書類の整理を終えて、雪かきをするために倉庫に向かう。
吹き溜まりになっているところはすでにスノーブーツが完全に埋まるくらいの深さだ。
このまま乗用車を走らせるのはなかなか難しいだろう。

スコップで少し雪かきして、倉庫に侵入。
トラクターのキーをひねる。

こういう寒い日は、すぐにエンジンを掛けようとしてもだめだ。
何度かグローランプが着くところまで鍵をひねることを繰り返。
すこし温めてからでないと、エンジンが掛からずにバッテリーが上がってしまう。

さぁ、いい頃合いだ。

手慣れた動作でキーをひねってエンジンを掛ける。

「ブルン、ブルン、プスン、プスン」

あれ?
掛からない。

もう一度。

掛からない……。

数日前には掛かったのに、今日はだめなようだ。
バッテリーが弱っているのだろうか。

というか、ピンチだ。

つむのお迎えどうしよう……。

とりあえず、家に戻り、幸枝さんに状況を伝える。
だんだんと外は暗くなってくる。

こんなときは。

大家さんに相談しよう!
幸枝さんから連絡してみる。
すぐに車を出してくれることになった。
しかも雪で道が荒れているから、と運転もしてもらえることに。

大家さんの車で幼稚園に、無事につむぎをピックアップ。
吹雪のピンチを大家さんのおかげで切り抜けられた。

いつも本当にありがとうございます。

お迎えから戻ってきた後、しばらくバッテリーを充電していたトラクターのエンジンも掛かり、除雪することもできた。

縁もゆかりもなかった場所でも、助けてくれる人がいるから、安心して暮らせるのだなと実感した一日だった。

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(登場人物)
ぼく:東京大学で農学博士取得後、ベンチャーで8年勤務。その後、北海道で新規就農。
幸枝さん:ぼくの妻。北海道大学で生命科学修士、ぼくと同じベンチャーで同期入社。2015年に結婚。
つむぎ:4歳の長男。北海道で元気いっぱいに成長中。電車、働く車、飛行機など乗り物大好き。
スピカ:3歳の猫。女の子。網走の病院で保護されていたところからぼくの家にやってくる。
櫂:1歳の次男。長男が騒ぎ回る横で、どっしりと寝ている大物感を漂わせる。


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