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北海道の思い出の味は「食パン」

美幌に移住してきたのは4年前。さらにその3年前の2015年、入籍したてのぼくと幸枝さんは札幌から入って知床まで縦断する北海道旅行をしていた。学会やスキーで来たことはあったが、しっかり北海道を楽しむはじめての旅行だった。

その旅で、思い出に残っている食べ物がある。

「食パン」だ。

寿司でも、スープカレーでも、ラーメンでも、豚丼でもなく「食パン」が心に残っている。

ぼくと幸枝さんは2011年にリバネスに同期入社した。必死に一年目を駆け抜けて二年目、ぼくらは大きなプロジェクトを始めることになる。それが製パン大手の「Pasco」さんとの「ゆめちから栽培研究プログラム」。プロジェクトのコアメンバーは、二年目のぼくと幸枝さんと、一年目の宮内くん。

今となってはパンの素材として目にすることも増え、美幌町でも多くの方が作付けしている小麦「ゆめちから」。当時はまだ、作られ始めたばかりの新しい小麦だった。Pascoは創業の理念に基づき、海外さんの小麦に頼るだけでなく、国産小麦を使ったパン作りに力を入れる決断をし、「ゆめちから」を使ったパンの製造を始めていた。

そんな中で生まれたプロジェクトが「ゆめちから栽培研究プログラム」だった。全国の中高生と一緒に国産小麦ゆめちからの栽培研究を行う壮大なプロジェクトで、この活動を通して多くの中高生に食や生産、そして研究について興味を持ってもらう狙いがあった。

新人チームのぼくらは、Pascoの担当者の方に心配をかけながら、手を差し伸べてもらいながら、プロジェクトをなんとか進めていった。そんな「ゆめちから栽培研究プログラム」は今も続いていて、これまでに43都道府県307の学校に参加してもらっている。

思い出の「食パン」はその「ゆめちから」の流れのなかにあるものだった。Pascoの北海道産ゆめちからのパンは販売拠点がない北海道では長らく食べることが出来なかった。その状況を変えたのが2013年に札幌に出来たPasco夢パン工房だ。

プロジェクトを通して、Pascoとゆめちからに関わっていたぼくらにとって、夢パン工房はどうしても行きたい場所となった。そんな折に決めた、北海道旅行。もちろん夢パン工房は旅の重要な目的地だ。

札幌市手稲区、住宅街の中にあったPasco夢パン工房。ワクワクしながら店の中へ。いい匂いが漂う中に、美味しそうなパンが並んでいる。なかでも目を引いたのは、Pascoの代名詞ともいえる食パン「超熟」の夢パン工房バージョン。

迷わず購入し、すぐに食べてみる。

「美味しい。耳はしっかり、中身はふわっふわ、噛めばふんわり甘い。いくらでも食べれる、というか食べたい」

拙い表現では、味をうまく表せないけれど、歴代食パンNo1の美味しさだった。

ぼくらは、食パンを一斤追加で購入した。北海道旅行の次なる目的地に向かう車内、「うまいうまい」とちぎっては食べながらドライブをしたのは大切な思い出だ。

さて、前置きがめちゃくちゃ長くなってしまったが、そんな思い出の食パンが冷凍パンとして我が家に届いた。「ゆめちから栽培研究プログラム」でお世話になっていた方に送ったとうもろこしのお返しだ。

ぼくらにとっては思い出の詰まった贈り物

冷凍された食パンは4時間室温で解凍。少し厚めにスライスしてトースターへ。

「チーン」

焼けた。バターを塗り、ドキドキしながらかじる。

美味しい。幸枝さんと二人の北海道旅行の思い出が蘇る。

ぼくと幸枝さんの間に新たに加わったつむぎもパクリ。パクリパクリパクリ。普段は食べないパンの耳までしっかり食べている。どうやら気に入ったみたいだ。

耳まで美味しいようです

家族の人数が増えた僕らは、7年前より早いスピードで思い出のパンを平らげるのであった。

また買おう!

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