美幌の農業はかなりハイテク〜GPSデータを使った可変施肥
昨日から一転して天気は快晴。白い雪に青い空がとても気持ちいい。
午前中は未来センターで雪かき。午後はJAで可変施肥の講習を受ける。
美幌では昨年くらいから急速にGPSによるトラクターの自動操舵とブロードキャスターでの可変施肥が広がっている。午後の講習はそのブロードキャスターでの可変施肥についてがテーマだった。
トラクターにGPSをつけると言ってもいくつかの段階がある。1段階目が、GPS測量機能のみをつける場合。これをつけると自分のトラクターが今どこにいるか、そして今までどの経路をたどってきて次はどう進むべきかがリアルタイムで把握できる。だだっ広く、目印も無い畑の中ではそのデータの価値はすごく高い。
そして次の段階が、GPSによる自動操舵。この機能がついたトラクターはGPS情報に基づいて勝手にハンドルを操作してくれるようになる。手放しでもまっすぐきれいに進んでくれる。ただ、往復のターンに関しては人力なので人が乗っている必要はある。人が乗らなくても良くなるのはまだ先のようだ。
そして更につぎの段階が、今回のテーマとなっているGPS情報に基づいた、ブロードキャスターによる可変施肥だ。ブロードキャスターというのはトラクターの後ろにつけて肥料等を吹き飛ばす機械で、今まではシャッターの開け締めを人が操作することで施肥量を加減していた。しかし、このGPS制御のブロードキャスターでは事前に施肥マップを読み込ませることで、トラクターで走るとそのマップ通りの量の肥料を自動でまいてくれるようになる。
そこで重要になるのが施肥マップの作り方だ。今日の研修を受けて初めてそのやり方を知った。
美幌町では施肥マップの設計のための基本システムとして、 Space-Agri株式会社が提供する衛星データを利用している。この衛星データがなかなかのすぐれもので、各圃場の前年度の作物の生育状況をストックしている。この生育状況は、衛星からの植生指数に基づいているらしい。植生指数というのは、衛星がキャッチする植物からの反射光の度合いを表すもので、植物の光合成速度を推定できるもののようだ。直接質問できなかったので定かではないが、おそらく下記のリンクのような感じのデータなのではないかと思う。
で、この生育状況データと自分の圃場の形を紐付けてみてみると、部分ごとの生育の良し悪しが見えてくる。取得した日によって若干のブレがあるもののおおよその傾向はつかめる。その傾向に合わせて、新シーズンの施肥マップを作成する。基本的には生育が良かったところ(下図の緑の濃いところ)は少なめ、悪かったところ(下図の赤いところ)は多めにを基本にしつつ、実際にその畑を使っている人の実感も踏まえて微調整していく。
そうやってできた施肥マップ通りにブロードキャスターで肥料をまいていく。なかなかにハイテクだ。この方法を使えば、その年の生育状況はかなり均一化されることが予想される。
ただ、気になるのはその年うまく生育が均一化された場合。翌年使う植生指数のデータはばらつきが少ないものになるはずで、そうなると肥料はほぼ均一にまくことになるはずだ。そうすると、もともとの土地の影響が出て、その年はまた、生育状況がばらつくことになるのじゃないかなぁ??そこは、蓄積されたデータを活用することでもっとうまくやれるのかな?質問すればよかった。
ともかく、可変施肥講習会はとてもおもしろかった。美幌の農業はかなり進んでいるなと感じる。僕の場合、大規模な畑作をやることは無いので、GPSを使う機会はあまりないかも知れないけれど、とても勉強になった一日だった。
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