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ゲームセンターはこの先生きのこることができるか?

3,500文字程度 想定読了時間5分

死ぬほど議論されつくされていることではありますが、改めて先行研究や過去から考えたことなどをつらつらと書いていきたいと思います。


結論としては
ゲーセンって今後どんどんきつくなるだろうけど、僕はゲーセンが好きなので頑張ってほしい
ということを伝えたいノートとなっております。

●ゲームセンターと私
●先行研究
●ゲームセンターの魅力だったもの
●現在の状況
●これからのゲームセンター

●ゲームセンターと私


私はゲームセンターが大好きです。

中学生の頃、格闘ゲーム(KOF98全盛期でした)にハマり、近所のボウリング場併設のゲーセンでヤンキー高校生からカツアゲされそうになったのはいい思い出です。
(500円しか持ってなかったので許してもらえました)

2004年、大学生になり、大型筐体ゲームが出始め、そのプレー感の新しさにハマりました。(当時は三国志大戦・WCCFが出始めの頃でした)

麻雀・クイズゲームやシューティングをやるようになったのもこの頃です。
(麻雀格闘倶楽部、マジアカ・AN×AN、エスプガルーダ・虫姫さまなどのケイブシューあたり)

2008年、社会人となりました。その後も引き続きゲームセンターには通い続け、音ゲー(beatmaniaⅡDX・ポップン・jubeatなどを中心に)も範疇に入り、様々なゲームを触ってきたつもりです。

1998年~2010年くらいがガチで通っており、その後はゆるゆると通う生活でしたが、私がガチで通っていた頃は流行り廃りはもちろんありますが、何かしらのゲームが活気がありました。

それは格闘ゲームであったり、音ゲーであったり、大型筐体ゲームであったりそれぞれです。新作には並びが出て、対戦相手にも困ることはありませんでした。

しかし今、ゲームセンターに行き、周囲を見回すと思います。

全然人いなくないですか?

正確には、いないこともないのですが、
いわゆる「ゲーマー」の人、減ってませんか?

子どもたちがクレーンをとったり、おじいちゃんおばあちゃんがメダルゲームをしていたりしています。しかし、出たばかりの最新大型筐体ゲームもガラガラ、格ゲーもガラガラ、音ゲーに並びができているところなんて久しく見ていません。
新たに複数人マッチングの大型筐体ゲームを始めたところ、殆どがコンピューターです。これはきつい。

※とあるゲームの新Ver稼働日の様子です。
このゲーム自体をこき下ろす意図は全くありません。

この状況はなんだろう、これから私が好きなゲームセンターはどうなっていくんだろう、というのがその時に感じた思いです。

●先行研究

実はすでに先行研究があります。ほぼ現状はこちらでカバーできており、
いまさら私が何か新たなことを提言できるような状況でありません。

【SPEEDA総研】ゲームセンターの未来
https://newspicks.com/news/2354788/body/
 ※SPEEDA総研さん素晴らしい記事、ありがとうございます。

メチャクチャためになるのでぜひ読んでもらいたいですが、三行でまとめます。

・ゲーセンは店舗数も売上も落ちてるよ!
・家庭用とスマホゲーに負けたからだよ!
・今後は店舗規模によって戦略を変えていかなきゃいけないよ!

超ウルトラざっくりまとめるとこういうことになります。

そして、私がこの文中で最も衝撃的を受けたのが来場者の年代層を分解したグラフです。

近年、一番ゲームセンターで遊んでいるのは60代以上なのです。

もちろん、肌感として老人増えたなとは思っていましたが、ここまで圧倒的とは思っていませんでした。
なぜこのような状況になっているのでしょうか?

●ゲームセンターの魅力だったものとは?

これはどのブームのときにも変わらず、
「家では体験できないことができる」
ということに尽きると思います。

格ゲーは、家庭用にない最新のゲームで、見知らぬ誰かと対戦することができました。
音ゲーは、豪華な筐体で最新の楽曲をプレーすることができました。
大型筐体ゲームは、今までになかった体験をプレゼントしてくれました。
それは例えば、手元のカードを動かして、それがダイレクトに盤面に影響することであったり、オンラインで対戦ができることであったり、まるでガンダムのコックピットに乗っているかのような臨場感であったりです。

※2006年から現在まで多くのゲーセンで稼動している
お化けコンテンツです。(公式より画像拝借しております)

●ゲームセンターの現状

しかし、先行研究でも言及されている通り、今家庭用ゲーム・スマホゲームとの比較をしたときに優位性があるものは決して多くありません。

ここから下は各ジャンルに対する私の雑感です。

シューティング:家庭用の性能向上に伴いかなり前に優位性を失った。
格ゲー:家庭用でのオンライン環境が整い優位性を失った。
今や新作ゲーム自体がアーケードでローンチされないことも。
クイズ等:スマホゲームで簡単にオンライン対戦ができるものも増え、
優位性を失っている。
音ゲー:豪華な筐体でのプレイは家庭ではできず、優位性は残っている。
ただし、ジャンル内でのゲーム林立により疲弊している?
筐体の制限から難易度の限界が早期に訪れるものが多い?
(結局ⅡDXなどの筐体を変えずに中身だけで勝負できるものが残り続けるのでは。)
大型筐体ゲーム:筐体の性質自体が優位性に直結する。
RTS(リアルタイムストラテジー)の類では、
正直、「家でLOLやってたほうがいいのでは?」
という類のゲームは少なくない。

また、昔は「カード排出」が家庭用との優位性を保っていたが、今は「ガチャ」がスマホゲーに出現したことにより、射幸性(当たったときの嬉しみ)が優位性となりにくくなった。


暗い感じばかりです。

しかし、今もゲームセンター内で優位性を保ち続け、人気を保っているものがあります。
それが、

「メダルゲーム」
「クレーンゲーム」
「パチンコ」

でしょう。

これは、言うまでもなく筐体がでかく家庭では絶対にできません。
また、大型筐体ゲームやスマホゲーと比べても、当たったときの演出は段違いで、射幸性が非常に高いです。
’(人間はピカピカ光ってジャラー!!っとものが出ると嬉しくなってしまうので仕方がありません。画面のピカピカよりも強いのです。)

人間は射幸性の虜になりがち


現在多くのゲームセンターに来る高年齢層がプレイしているのは主にこの
あたりではないかと思います。

また、もう一点高年齢層がプレイしている(と肌感で思うもの)があります。それが、

「麻雀」

です。これらは家庭用・スマホとの優位性など全くありません。

しかしなぜまだプレイされ続けるのでしょうか?

答えは、「喫煙者の暇つぶし」だと考えます。
今や飲食店で禁煙のところも増えています。
その点、ゲームセンターはまだまだフリーゾーン。
タバコを吸いながら缶コーヒーで時間を潰すにはちょうどいいのが麻雀のような「反射神経をそこまで使わなくてよいゲーム」です。

このあたりの掛け合わせで、高年齢層はゲームセンターで高いゲーム性・
戦略性がないゲームで時間を潰しているのではないでしょうか。
大規模ゲームを定期的に入れ替えて導入することができない店舗の生き残りは、正直このあたりに賭けることとなってしまうように思います。
(競合を漫画喫茶あたりの「時間つぶし業態」にシフトし店舗設計する)

●ゲームセンターのこれから

このままでは、早晩大型店舗はメダルゲームとパチンコに埋め尽くされる
でしょう。

先行研究では、大型のゲームセンター施設では、
 ・VR・空間演出によるリアリティの追求
 ・来場ボーナスなどによる、現実での行動との連動
などが打ち手として提言されています。

VR・ARをより本格的に使ったものはこれから必要になってくるでしょう。また、スマホゲームとの連動なども当然必要となってくると思います。
(イメージ:
 ポケモンGO×ゲーセン=リアルポケモンスタジアム
 ガンプラ×ゲーセン=ガンプラバトル
 DCG×ゲーセン=シャドウバースARコロシアム)

いつか僕らが夢見た未来

どんどん大掛かりになっていきますし、ゲームセンター側、IPを保有する
ゲームメーカー側にも苦労はかかってくると思います。
しかし、ゲームが好きな一人の人間として、いつまでも


「新しい体験を提供してくれる場所」

に残ってほしいてほしい、そしてそれはゲームセンターであってほしい、
という思いは変わりません。

イチゲーマーとして、これからも定期的に新しいゲームが出てないかな、
ゲーセンどうなってっかな、と見に行きたいと思います。

長文にお付き合いいただきありがとうございます。

(了) 

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