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脳が過敏(らしい)

先月の下旬から精神科に通院しはじめたのだけれど、いまだに合う薬が見つかっていない。

4種類試してみて、すべてダメだった。効果が出ないのではなく、副作用の吐き気がひどくて飲めないのだ。

主治医も「副作用が出やすい体質なんですね」と言っていた。過去に14年間も服薬を続けていたのに、いつの間にこんな副作用の出やすい体質になったのか。

だからいまだ投薬治療はできていないものの、主治医と話していると「なるほどな」と思うことが多い。

たとえば、私は外出するとひどく疲れてしまい、帰宅後に寝込んでしまう。母も姉も同じ体質で、家族のイベントのあとはみんな「楽しかったね~」と言いながらぐったりしている。

この体質のせいで、プライベートも仕事もままならない。なんとか改善したい、悩みの種だ。

そう話すと、主治医に「音が騒がしいのが苦手ですか?」と聞かれた。

「苦手ですね。嫌いではなくて、若い頃はよくライブとか行ってたんですけど、やっぱり具合悪くなってました」

「光はどうですか? まぶしがるとか」

そういえば、山で「サキさんてすごいまぶしがるね」と指摘されたことがある。みんな平気そうなのに、私はまぶしくて目を細めていたから。

主治医はほかにもたくさんの質問をした。五感にまつわるものと、親族にまつわるものだ。遺伝的な傾向について知ろうとしているのだろう。

私がすべての質問に答えると、主治医は

脳が過敏なのかもしれないですね。刺激を受け取りすぎて疲れてしまうのかもしれないです」

と言った。脳の過敏さは生まれつき決まるらしい。

主治医は一貫して「脳が過敏」という表現を使った。それがHSPと同じことを指しているのか、別の概念なのかはわからない(聞けばよかった)。


初めての診察時から感じていたが、主治医はとても繊細な手つきで言葉を扱う。

まず、断言をしない。

それは責任回避のためではなく、私が「自分は脳が過敏なんだ」と過剰に意識することを防ぐためじゃないかな、と思う。

自分にレッテルを貼ると、無意識のうちにそっちに寄せてしまうから。

というのも、私は周囲から「絶対にHSPだ」と言われる。人に勧められてHSPの本を読んだら、たしかにめちゃくちゃ当てはまっていた。

けれど、本やネットで見る他人の体験談って、どんなものでも「そういえば思い当たる節があるな」と思いがちだ。

なので、私は自分のことを「HSPかもしれないし、そうじゃないかもしれない」と思うようにしている。

「ようにしている」時点でHSPだと思っているわけだけれど、暗示にかかりやすい私のことだから、自称してしまえば些細な不調をより大きく感じてしまいそうだ。

その点、主治医は私の思い込みを誘発しないよう、とても慎重に言葉を選んでくれている(気がする)。

どちらにせよ、私は私の脳でしか生きたことがないので、他人の脳と比較して敏感かどうかはわからない

でも、私が数々の質問に答えた上で主治医がそう感じたのなら、その傾向はあるのだろう。

過度に「自分は過敏だ」と思い込まず、適正な重さで、自分の性質と付き合えたらいいなぁ。


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