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ドイツ 秋深まり、ブレイクスルー感染増える。 追加接種急がなくて大丈夫?

米パウエル元国務長官が新型コロナウィルスで亡くなった、と先日ニュースで伝えられました。接種を完了していたのに、です。ドイツでも新規感染者数の中にブレークスルー(接種完了者の発症、死亡)が占める率が徐々に高くなっています。

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表は、ロベルトコッホ国立感染症研究所(RKI)のブレークスルーについての統計データを抜粋したものです。60歳以上では半数以上、それ以下でも3割を超え、その多さにびっくり? でもよく考えてみると、接種完了者率が増えれば、感染者中に占める割合もその分多くなるわけで・・・。

実際、同データからRKIが算出したワクチン効果の方をみると、感染予防効果は低下していますが、重症化・死亡予防効果は高いレベルを維持しています。

・有症状感染予防効果:76%(18〜59歳)、75%(60歳〜)
・重症化(集中治療)予防効果:94%(18〜59歳)、92%(60歳〜)
・死亡予防効果:98%(18〜59歳)、87%(60歳〜)


ただし、早期に接種を済ませ、その上免疫反応が弱まるのも速い80歳以上においては、重症化・死亡予防効果も下がってきています。これまでコロナで死亡した 943人の接種完了者のうち74%が80歳以上。 残り約3割もほとんどは60歳以上(というか多分70歳以上)です。若いと、通常風邪程度で済み重症化するケースのほとんどは免疫不全者とも聞きます。パウエルさんは、84歳という年齢に加え、免疫機能も弱める がん も患っていて、両危険因子をもっていたとうことになります。

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こういったデータに基づき、少し前までは免疫不全者だけにブースター接種(追加接種)を勧告していたドイツの接種諮問委員会も、70歳以上全員にも勧告対象を広げました。独政府はまだ、ベクターワクチン接種完了者ほか高リスク者は例外とし、80歳以上だけに追加接種を与えていますが、近い将来対象年齢を下げていくことが見込まれています。

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