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「誰からも好かれる人の話し方」とは

「話し上手」と「話し自慢」の根本的な違い

 世間では誤解されがちだが、「話し上手」とは止めどなく話し続けられる人のことではありません。
 乗り気ではない相手に話し続ける人は「話し上手」ではなく「話し自慢」です。
 話し自慢は、口下手な人の何十倍も聞き手を疲れさせます。

本物の話し上手は、周囲を楽しく愉快な気持ちにさせる方

 本物の話し上手は、周囲を楽しく愉快な気持ちにさせる方です。
 話し自慢が自己顕示欲を満たすために話すのに対して、話し上手は皆様の笑顔を見るために話します。アイドルマスターなのです。キンプリなのです。

話を独占せず、その場にいる人全てに話を振る

 また、話を独占せず、その場にいる人全てに話を振ったり、難しい話題やマニアックな話題でも皆様が興味を持てるように工夫したりするのも、話し上手の特徴です。

相手の仕草や表情を観察する

 話をする時は、相手をよく見て話します。
 これは話し方のセオリーであり、実践している人も多いでしょう。難しいですけど、貴方がアイドルマスターなら出来るでしょう。

相手をじっと見て話をする

 話し自慢も、相手をじっと見て話をしています。
 ただ不思議なことに、その人が笑っていないことや目が死んでいること、うなずきが小さいこと、質問が少ないことなどに気づかない。その場を独占していることに酔いしれているからかもしれない。

会話は全員で楽しむもの

 一方、話し上手は、相手の表情や仕草をよく観察しています。
 「この話題で相手は楽しんでくれているだろうか」「内容がよく伝わっているだろうか」「相手にも話したいことがあるのではないだろうか」と考えつつ話し、時には「こんな話だけど続けてもいい?」と問いかけもします。
 
相手が楽しんでいないように感じたら、話の途中で切り上げて、「貴方は最近どうなの?」と相手に譲る潔さもある。

 会話は全員で楽しむもの。この姿勢こそ、話し上手が誰からも愛される理由の一つです。

相手の「映像化」をサポートする

 話し自慢の人と一緒にいると、何故疲れてしまうのか。それは、私たちが人の話を聞く時、頭の中で「映像化」していることと関係がある。

 例えば、相手に「昨日、ディズニーランドに行ってきたんだけどね」と言われたら、私たちはその人がディズニーランドにいるシーンを想像し、「彼氏の服装がダサかったの」と言われたら、想像の中に彼氏を登場させ、ダサい服を纏わせます。ダサさは千差万別ですね。
 私たちはこうして相手の話を映像でイメージしながら理解し、記憶するのです。

映像化が出来ず、頭の中が混乱

 聞き手の映像化はゆっくり進みます。
 だから話し自慢の人が間を置かずに話し続けると、映像化ができず、頭の中が混乱してくるのです。

まとめ 本物の話し上手は、少し話すと必ず間を空け、聞き手の相づちを待つ

 本物の話し上手は、少し話すと必ず間を空け、聞き手の相づちを待ちます。
 すると相手は話を理解しやすくなるし、臨場感を持って耳を傾けることが出来るのです。

【参考】野口敏(2023).『話していると楽しい人 しんどい人』.三笠書房