光る海を眺めて思う
少し前の話。
2022年2月17日。
亡くなった友人を思い出しながら、
家から歩いてすぐの市境を超えて、
片瀬山の住宅地を歩いた。
ヘッドフォンから流れるBGMは尾崎豊の17歳の地図。
彼が尾崎を好きだったかどうか、もう30年も前で定かではない。
しかし、高校時代、折に触れみんなで聞いていた記憶。
高校生になり、仲間が増え、
友だちと過ごすことが何より大切だった高校生活。
恋愛感情抜きに、
私の高校生活を
キラキラと輝かせてくれた友だち。
訃報を聞いた翌朝、
駅でバッグの口を大きく開けたまま、歩く人を見た。
高校時代の彼なら迷わず『開いてるよー』と声をかけるはず。
普段は迷ってしない私だが、
その日は自然と
「開いてますよ」と、声をかけることが出来た。
片瀬山の景色がいいところで立ち止まり、
光る海を眺めた。
火葬の時間にこの景色を見に来たのは、
彼にさよならを言いたかったから。
この時に天国に行くのだ、そう思った。
いっちゃん、元気でね。