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アンダーマイニング効果と行動経済

アンダーマイニング効果

「アンダーマイニング効果」
と言う言葉をご存知でしょうか?
説明はこうあります。

好奇心や喜びなどの「内発的動機付け」を、
元に行なったことが評価されて、
昇給したりご褒美をもらえたりする事での
「外発的動機付け」をされることで、
いつの間にか【やる気がなくなる】等の、
内発的な行動に対する、
モチベーションが下がってしまうこと
です。

動機付け

もう少し簡単に考えてみましょう。
人間がモチベーションを生み出す【動機付け】には、
大きく分けて2種類存在します。

何かをやると「褒められる」
何かを達成すると「報酬がもらえる」
逆にやらないと「罰を受ける」

等が原因となる「外発的動機づけ」と、
「好奇心」や「興味が湧く」等から、
自らやりたいと考える「内発的動機づけ」です。

目的の相違

内発的動機付けは「自らの興味」です。
誰かに言われてやるのではなく、
自ら率先して動きますので、
報酬等が目的ではありません。

しかし「自らの興味」で始めた行動や行為だったのに、
一度お小遣いやご褒美をあげると…
気づけば「お金やご褒美」の為にやる!
という目的に変わってしまうのです。

そして…
ご褒美が貰えなくなってしまうと、
「やっても意味がない」と思ってしまう事で、
断端と「やる気が下がってしまう」
という事になります。
これがアンダーマイニング効果なのです。

アンダーマイニングの始まり

アンダーマイニング効果は、
心理学者が1971年に行った実験によって、
判明した現象です。

様々な形をした7種類のブロックをつなぎ合わせ、
犬や飛行機などの形を作る立体パズル実験を、
大学生に仕掛けました。

大学生はみんな「内発的にチャレンジしてみたい」
と感じています。
自らがやりたい!と言う事ですね。

実験

アンダーマイニング効果の実験は、
大学生をAとBの2つのグループに分け、
3つのセッションを行っています。

①A&B両方のグループに普通にパズルを解いてもらう
②Aグループはパズルが解けるたびに1ドルの報酬、
 Bグループは普通にパズルを解いてもらう
③A&B両方のグループも普通にパズルを解いてもらう

さてどうなったと思いますか?

実験結果

実験の結果…
何の報酬も与えていなかったBグループは、
パズルに触れる時間に変化はありませんでした

しかし一方、
報酬を与え得られたAグループは、
パズルに触れる時間が劇的に減った
のです。

金銭的報酬を与えられた結果で、
「パズルは報酬を得るための手段」
と感じるようになったのです。
内発的動機が失われ、
パズルへのモチベーションが低下
したのですね。
これがアンダーマイニング効果です。

起こさせないために

アンダーマイニング効果を起こさせないためには、
「他者から統制されている」
と感じさせないことが大切
です。

相手の自己決定感や、
有能感を失わせない
ようにしなければならず、
物質的な報酬を期待させないのです。

これは…
「物質的な報酬」よりも、
「言語的な報酬(期待や賞賛の言葉)」
を与える方法が、
一番効果的であるとされています。

アンダーマイニング効果と行動経済まとめ

人間は感情で行動しています。
物質的報酬だけで行動していません。
「心が動く」とはそう言う事なのです。

行動経済学はとても奥深く、
真理を知っておけば応用
が効きます。
時代はより情報化が加速し、
選択権が増えて行きます。

人間は常に損失回避性で意思決定を行っており、
決定において迷いが生じます
どれだけ良いモノや情報であっても、
素直に消化できない事が増えるのです。

デジタル時代はスピードと経験!
これは今のところ…
私の中では鉄板で効果があります。
遅れを取らず最善策に繋げる為に、
行動経済学を活用
頂ければと思います。

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