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『「ちゃんとしなきゃ」から解放されて自分らしく成長する教師になる方法』の特徴

本書は、タイトルや表紙は簡単そうに見えるのですが、内容がこれまでにない見方・考え方になっているので、読み解くのに時間がかかります。この記事で本書の特徴を説明した上で、少しずつ新しい見方・考え方について解説していきたいと思います。

本書の特徴をまず4つ挙げてみます。

1.自分を責めるネガティブな心の声(チャッター)の連鎖の克服

本書では、教師や大人が子どもたちによかれと思って行っている指導が子どもたちに生涯にわたる悪影響をもたらしている問題(エデュケーショナル・マルトリートメント)に対して、教師や大人が無意識に抱いている自分を責めるネガティブな心の声(チャッター)がもたらす不安や恐れがその原因となっていることを論じました。そして、教師のネガティブなチャッターの事例を発達段階毎に示すことでチャッターの克服方法を示しました。

2.学級運営方法の発達段階に基づく類型化

フレデリック・ラルーの『ティール組織』を基に、組織の発達段階に基づく学級運営の方法の類型を示しながら、それぞれの学級運営方法が効力を発揮する場合と陥りやすい課題を示しました。

3.教師が自分らしく成長するための発達の道筋の提示

教師の発達段階毎の見方・考え方の特徴、陥りやすい課題、課題の克服方法を類型化しました。それによって、教師や教師を目指す学生が自分の発達段階とチャッターを自覚し、自分の教師としてのこだわりと本当に大切にしたいことを切り離しながら、自分らしく成長する教師になる道筋を示しました。

4.指導の発達論的射程の提示

教師の指導方法について、教員採用試験で過去に出題された場面指導の問題を例に、想定される回答例について子どもの発達段階に応じた適用範囲(発達論的射程)を示しました。その上で、より後の段階へと子どもたちが発達することを促す指導を行うための見方、考え方を示しました。

今後、それぞれの内容に含まれる新しい見方・考え方とそれらが学校や学級にもたらしうる変化について解説していきたいと思います。


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