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漢検の有効活用〜漢字学習の重要性

国語はすべての科目の基礎である。

漢字は国語の基礎である。

すなわち、漢字を学ぶことが勉強の基礎であると私は考える。

もちろん、算数・数学が論理的思考力を養う最重要科目であることは言うまでもないが、今回は漢字の重要性に限定して述べる。


[1]日本語の多様性

英語がアルファベット26文字のみで構成されるのに対し、日本語は平仮名50文字に加えた膨大な量の漢字があり、これらを自由自在に扱うことのできる日本人は、世界に稀有な存在である。

平仮名・カタカナ・音読み・訓読み・四字熟語・ことわざ・慣用句といった多種多様のことばを操ることによって、日本人はこれまで自分たちの伝統・文化・アイデンティティを表現してきた。

いかにグルーバル社会が到来しているとはいえ、外国語を学ぶよりもまずは母国語を充実させることが、人間形成の根幹をなす。


[2]これからの日本これからの世界

◆  YouTube や TikTok などの映像文化
◆  Instagram などのビジュアル重視
◆  LINE における短文の多用

これまでとは大きく異なる、想像もつかないような世界が今後実現していくことは確実であり、いわゆる「新人類」に向けた教育というものも必要になってくるであろう。

しかしながら、いま現段階において、私たち日本人の根幹をなす「日本語」という観点からみた場合、語彙力・表現力の低下により失われつつあるものも決して少なくないということは、認識しておく必要がある。


こういう話題になると、「白か黒か」の論争になり、どちらか一方に肩入れする人が多くなるが、私の結論としては、「両方のいいとこ取り」をすればよいとシンプルに割り切っている。

どちらにも良いところがあるのだから、そのどちらをも吸収すればよい。ただそれだけのことである。

というわけで、私の塾では、まずは漢字の勉強に力を入れて、漢字検定合格を目指した指導を日々続けている。


[3]漢字検定のレベル

小学生から勉強を始めて、中学生で4級・3級を受けるのが通常である。

私の塾では、中学の間に準2級まで受けさせる。

準2級だと大学入試でも通用するので、中学の間にここまで勉強しておけば、高校で新たに漢字を覚える必要があまりなく、他教科の勉強に余力を回せる。


[4]漢検合格への道のり

漢字検定は年に3回実施される。

2、3ヶ月後の受験を目指して勉強を開始する。

私の塾では、以下の3冊の問題集を使う。

1️⃣漢字学習ステップ
2️⃣分野別問題集
3️⃣実物大過去問


1️⃣漢字学習ステップ

これは漢検の最も初歩の問題集である。

この問題集を用いて、漢字1文字1文字について、その意味・書き順・音読み・訓読みを丁寧に学習する。

特に、「書き順」は徹底しておきたい。初めに間違った覚え方をしてしまうと矯正が大変である。何事も初めが肝心。

次に「訓読み」はその漢字の意味をなすだけでなく、大学入試現代文・漢文における未知の熟語を読み取る場合において非常に重要になる。しっかり勉強しておきたい。

2️⃣分野別問題集

基本を終えた後は、分野別の練習に入る。

読み・書き・書き順・熟語の構成・類義語・対義語・四字熟語・誤字訂正といった個別の問題を解いていく。

この際、間違えた問題に必ず印をつけておくことを忘れないようにする。

2周目を解くにあたり、一度間違えたり迷ったりした問題にチェックが入れられていると、2度目に間違えたときに記憶に残りやすくなる。

2回間違えた問題には再度チェックを入れておく。

こうして、自分だけの専用問題集を作り上げる。

3️⃣実物大過去問

最後は過去問で仕上げる。

特に「実物大」を用いる。

試験慣れしていない生徒は、受験会場で緊張し、本来の実力を出せないことが多い。

できる限り本番の状況に似た環境で練習させてあげることが大切だ。

問題用紙と解答用紙は本番と同じものを使う。

これはいかなる試験においても通じる基本的心構えだ。

試験本番の感覚で練習する
マークを塗る練習も大切


[5]点数にこだわる

合格基準は級によって異なる。

上記 1️⃣ , 2️⃣ をしっかり練習してきた生徒は、最初から合格点を取ることができるが、なかなか合格点に到達できない生徒も多い。

生徒に自分で答え合わせをさせて、自分で得点を計算させて、自分がどのくらいの位置にいるのかを把握させることで、以後の学習姿勢が変わってくる。

どの分野で得点できていないのか。

あと何点必要なのか。

そういう具体的な目標が可視化されることにより、学習行動を取りやすくなる。


[6]おとなも子どもも共に勉強する

小学生が受験する場合、保護者にとって課題が目に見えやすいから、共に勉強することも容易だ。

「保護者が子どもの勉強にどこまで介入すべきか」というのは難しい問題であるが、漢字検定に関しては、親子が共に勉強して合格を目指すのは悪くないと考える。

大人にとっても漢検は脳トレとして役立つので、子どもよりも上級を目指して共に勉強するのも面白い。


[7]未来に漢検を役立てる

以上、漢検は誰でも合格を目指せる有用なツールなので、ぜひ大人も子どもも一緒に勉強してほしい。

共に漢字を勉強することで、コミュニケーションを図れるし、語彙力も上がるし、読書にも関心が向くし「いいことずくめ」である。

ぜひ皆さんでチャレンジしてもらいたい。(了)

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