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ほんとうのSEO(第1回)

クライアントからウェブサイトの検索順位を上げたいという相談をよく受ける。業界用語ではSEO(Search Engine Optimization)=検索エンジン最適化というが、ほとんどのクライアントはこのSEOを誤解しているし、ウェブ屋の人たちも正しく理解していないのが現状だ。SEOとはなんなのか、ウェブサイトを運用している人にも、ウェブサイトを制作している人にも、ほんとうのSEOを伝えたいと思う。

SEOとはなにか

まず大前提としてSEOとは検索順位を上げることではない。最適化(Optimization)という言葉が表しているように、本来の順位、しかるべき順位に位置づけるのがSEOなのだ。この「しかるべき順位」というのがポイント。たとえば、あるサイトが1位に表示されてしかるべきなのに、現状では50位に位置しているとして、ここでそれなりのSEO施策をすれば1位になる。けっして、1位になるべきではないサイトを作為的に1位にさせることではないのだ。

ただし作為的に1位にさせることは可能だ。これがリスティング広告と呼ばれるもので、GoogleやYahoo!の検索エンジンでお金を払えば、特定のキーワードで1ページのトップに広告枠として表示させることができる。広告枠ではない順位のことを「自然検索」(オーガニック・サーチ)というが、SEOは自然検索での順位が対象なので、広告で上位に表示させることはSEOとはいわない。

もう1つの方法として、SEOの「外部施策」と呼ばれるものがある。これも有料のサービスで、特定のキーワードで上位表示させるものだ。これは有料だが自然検索での順位を上げるため、いちおう「SEO」なのだが、外的な力を利用するということで外部施策と呼ばれる。これはお金で解決する手段のため手っ取り早いのだが、かつてこれでインチキが横行したため、Googleは度重なるアップデートで排除しようとしている。外部施策のサービスの中にはインチキではないものもあるのだが、ウェブサイトを良いものにするという観点からはやはり勧められないので、ここでは外部施策は考慮しない。

SEOにおいてしかるべき順位とは

結論からいうと、検索順位で1位になるためには、1位のウェブサイトになればいい。いたってシンプル。いたってかんたん。では1位のウェブサイトとはどんなサイトなのか。これはユーザーの立場になって考えればわかる。たとえば「東京 美容院」と検索したときに、大阪の美容院や、東京の廃業した美容院などがでてきたら困るだろう。そんな検索エンジンはいやだ。「東京 美容院」で検索する人は、みんながおすすめする良いサービスの美容院や、比較サイト、まとめサイトなどがでてくることを期待しているのではないか。つまりユーザーにとって上位表示してほしいサイトが上位にくるというわけだ。だから1位のウェブサイトというのは、ユーザーが1番見たいサイトということになる。

ここまででわかると思うが、SEOはテクニックの話ではなく、コンテンツの話なのだ。HTMLのタグがどうとか、1ページあたりのキーワードの出現率がどうとか、メタタグがどうとか、そういうテクニックは瑣末なことで、コンテンツを改善しなければどうしようもない。

繰り返しになるが、SEOというのはしかるべき順位にすることをいう。そもそもサイトが1位になるようなポテンシャルがない(コンテンツが悪い)のであれば、テクニカルなことをしても1位にはならない。ウェブサイトを運用している人が求めているのは検索順位を上げることだ。だから、頑張らなくてはいけないのはSEOではない。SEOのルールを踏まえたうえで、検索順位を上げるにはどうしたらいいか、どういうサイトにすればいいのか、ということを考えなければいけないのだ。

ユーザーにとって1位のサイトになるには

ここまで読んで、もしかすると、1位にならないと1位になれないなんて当たり前だろ、だとしたらウチのサイトが1位になれるわけないから、上位表示なんて無理ってことじゃないか、と思われるかもしれない。そんなことはない。どんなサイトだって1位になることは可能だ。その具体的な方法を説明するまえに、検索エンジンの特徴を理解する必要がある。それは「1キーワード1ページ」という大原則だ。

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