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エンジニアが考えるカラーコーディネート三カ条

 カラーコーディネートの方法として、いろんな理論や実例が紹介されています。エンジニアなんで、シンプルにロジック化したいと思い、色彩学の知識、自分の経験などを踏まえ、初心者が本当に押さえておかなければいけない理論としてまとめました。(あくまで個人の見解です)


カラーコーディネート三カ条

 いろんな理論をまとめると、以下の3つに集約できると思ってます。もちろんおしゃれな上級者になれば、これに従う必要もないし、もっと自由にカラーコーディネートを楽しめばいいと思います。が、初心者、自信のない人は欲張らず、まずはこれだけ頭に入れましょう。

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①色数を減らす

面積を変える

明度差をつける

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①色数を減らす

  欲張るな!いろんな色を使うのは上級者になってから!ということです。もし色数多くするなら、トーンをそろえるなど、色相以外に共通性を持たせるといいでしょう。トーンはそのままに、色相に共通性を持たせる(同一色相にする)と、結局、色数を減らすことになります。

 トーンをそろえる「ドミナント トーン」、色相をそろえる「ドミナントカラー」配色は、ジャッドの色彩調和の4原理でいう「共通性(類似性)の原理」ですね。

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②面積を変える

  使用する色を下記3種に分け、面積を変化させるとうまくいきます。簡単に言うと「鮮やかな色は小さく」です。

 ベースカラー(イメージを決定するメインとなる色):面積

 アソートカラー(ベースカラーを補助する色):面積

 アクセントカラー(配色を引き締める色):面積

 上の図では、ベース/アソート/アクセントの比を、70:5:25にしています。大体このくらいがいいとされています。


③明度差をつける

 そのままです。この時、黄みよりの色を明るく、青みよりの色を暗くすると自然界にみられる光と影を表現した「ナチュラルハーモニー」となります。日なたは明るく黄みよりで、日かげは暗く青みよりなので。

 ナチュラルハーモニーはジャッドの色彩調和の4原理でいう「親近性(なじみ)の原理」ですね。

 そして、同一色相にして明度差をつけると「トーン オン トーン」。こちらはドミナント カラーでもあるので、「共通性(類似性)の原理。

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 服のトップスとボトムスなど、上下の配色の場合、下に暗い色が来る方が安定(バランス)したイメージとなります。


トーン オン トーンは最強の配色である

 あくまで個人的な意見で、エビデンスないですが、そう思います。三カ条のうち2つを満たしてますし。

 あと、有名コレクションの配色643点の配色を分析するとトーン オン トーンが多かったというデータ*があり、この説はまんざらでもないような・・・

*:東京商工会議所編:カラーコーディネーションの実際 ファッション色彩(第12章)、中央経済社、2003


ジャッドだって物理学者

 以上、エンジニアが合理的に、シンプルに、ロジック化したカラーコーディネートの三カ条でした。

 ちなみに、過去の様々な色彩調和論を考察し、色彩調和の4原則を導き出したジャッド(Deane Brewster Judd)は物理学者(だからシンプルで明快な理論なのかも)。

 彼は色彩工学で数多くの実績を残しています。CIEの表色系(XYZ、CIELAB、CIELUV)、等色関数、標準イルミナント、色差、色名、そして、明るさ感度関数V(λ)の修正-これは「Judd修正」として名前が残ってます-など。

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 2年に一度、国際色彩学会(International Color Association; AIC、CIEとは違う組織)から贈られる色彩学の世界最高の名誉は、彼の名にちなみ「ジャッド賞(Judd Award)」と呼ばれています。日本人も過去に4名受賞してます。

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