聴くこと
ジャズってアンサンブルの音楽ですよね。もちろんピアノなどで完全ソロの演奏もありますが、これはむしろ複数でやる演奏の厚みを一人で出そうという試みで、基本は複数の演奏者のアンサンブルだと思います。
そのアンサンブルですが、何よりも大切なのは共演者の音・音楽を聴くことだと思います。
最近、その聴くことの素晴らしいバンドに出会いました。
こんな素敵な「聴き」を見せてくれたバンドは初めてです。
共演者の演奏を聴いて、その意図をキャッチして、喜ぶ!「それ面白い」「そう来るか!」「イケてる!」そんな言葉が聞こえてくるみたいな表情で、全身で喜ぶんです。実に楽しそう。
要になっているベースの人も、全体を見ながら我が意を得たりという笑顔でメンバーを見ています。
アイコンタクトも実に良い感じで、演奏者の楽しそうなやり取りが客席も巻き込んで盛り上がっていく、実にエキサイティングなひと時でした。
聴くことこそがアンサンブルなのだと思いました。
それと同時に、聴くことができるのが、既に技量の高さだということも思い知りました。
相手が何をしているかが理解できる力、それに対して即応できるアイデアとテクニックの蓄え、さらに全体的に進む方向と着地点を見据える冷静さ、それぞれの演奏者のレベルの高さがあってこその「聴く力」なのですね。
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