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11月11日はカナダの”終戦記念日”

1918年11月11日午前11時に、カナダ軍も参戦していた第一次世界大戦がヨーロッパで終戦を迎えたので、”終戦記念日”と呼んでもいいのでしょうが、英語で”Remembrance Day"と呼ばれていますから、主に第一次、第二次世界大戦、朝鮮戦争などで戦死したカナダ軍将兵を追悼する日(連邦法定休日)としたほうが適切だと思われます。これらの戦争に230万人ものカナダ人が応召し、約11万8000人が祖国のために尊い命を捧げました。

毎年、この日が近づくと胸に赤いポピー(ケシの花)のレプリカを付けた人たちを数多く見かけるようになります。このポピーのレプリカは、退役軍人やその家族たちの福利厚生などを援助するための募金集めに使われるものです。街角などで寄付金を募り、応じてくれた人にポピーを手渡したり、あるいはお店などの一角にまとめてポピーが置いてあり、寄付をした人たちがポピーをもらっていくという形もあります。

このポピーの由来は、第一次世界大戦の戦場となったフランスのフランダース地方の将兵の墓地にポピーが群生していたことと、カナダ軍の軍医、ジョン・マクレー中佐が1915年5月、戦友が戦死した翌日に紙片に走り書きした13行の詩、”In Flanders Fields" がカナダ国民の間に広く知られ、愛されるようになったことから始まったそうです。この詩では、1行目、2行目に「In Flanders fields the poppies blow    Between the crosses, row on row」とあり、戦死者の墓がずらりと並んだフランダースの原っぱでポピーが風に吹かれている情景が描かれています。

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過日、トロント市周辺に展開している米国資本の人気オーガニックスーパー「ホールフーズ・マーケット」が、店内で従業員がポピーのレプリカを胸に付けることを「会社の従業員服装規定に合致しない」という理由で禁じたというニュースが伝わるや否や、たちまち消費者などから抗議の声が殺到し、あわてて会社側が禁止令を撤回するという出来事がありました。詳しいことは分かりませんが、米国のマネジメント側にはカナダ人のディープなセンチメントが理解できなかったのかも知れません。

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