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「よしあき随想」”心を揺さぶる歌”

いつもいつも同じようなモノばかりアップしているのも、”芸”がないと思い、しばらくぶりに随想みたいなものを書きたくなりました。

数年前に母国・韓国のソウルに帰った私の友人から、「韓国の男性クオルテット、Forestella というのが素晴らしい」と知らせてくれたのは、去年の初めごろだったと思います。彼は、私が前から「韓国の歌手の中には、抜群の歌唱力の人たちが多い」と言っていたのを覚えていたのです。

私は詳しいことは知りませんが、この Forestella の4人の男性たちは、クラシックのトレーニングを受けてきたに違いないと思います。素晴らしい歌唱力、ハーモニー、表現力! 素人の私でも圧倒されるようなステージです。

ユーチ■ーブで、たまたま彼らが歌う「Je Suis Malade」を聞きました。この直訳すれば『私は病気なの』という仏語の歌、私が初めて聞いたのはララ・ファビアン(Lara Fabian) が1994年にリリースしたもので、私はたちまち彼女の大ファンになりました。ベルギー生まれで、後にカナダ・ケベック州に移り、モントリオールを中心に歌手としての活動を広げて行ったララは、現在ではヨーロッパ、北米を中心に活躍している実力派の人気歌手です。

30年ほど前、3年半ぐらいモントリオールに住んだことがあっても、仏語は全然ダメな私で、この歌の歌詞はほとんどわかりませんでした。でも、意味はわからなくても、ララ・ファビアンの歌唱力、表現力に圧倒されて、この歌に心を揺さぶられてしまうのです。

je suis は I am.  malade  というのは病気ぐらいはわかっていました。曲を聴いていると、「ウイスキーと私」とか「疲れた」とか「ラジオ」とか、ところどころ意味の分かる言葉が出て来ます。そういう単語をつなぎあわせただけで、この曲の絶望的な雰囲気、自暴自棄、失恋とか、そういった思いが何となくこみあげてきます。

今から30年ぐらい前のララ・ファビアンの熱唱です。この動画では、歌詞の英語訳が付いているので、意味がよくわかります。

この歌、私は長い間、彼女のオリジナル曲だとばかり思っていましたが、今日、この随想を書くためにちょっと調べたら、そうではないことがわかりました。元歌は1973年、フランスのシャンソン歌手が作曲したものです。

先日、韓国の Forestella がこの歌を歌っているのをたまたま聞いたのです。まず、彼らが 「Je Suis Malade」をレパートリーに加えてくれたのがとても嬉しかったです。この歌の素晴らしさを、彼らが新たに世界に拡散してくれるに違いないからです。

 

もう十年以上前になりますかね。用事があってトロントから車で4時間近くかけてオタワに行った帰り、ほとんど車が走っていない夜明けのハイウエーを走りながら、ララ・ファビアンが歌うこの歌を聞いていたら、訳もなく泣いてしまって涙が止まらなかったです。

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たなかよしあき
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