にじさんじ遊戯王祭でイブラヒムのラビュリンスがなんで燃えてるか説明する。

11月11~12日、にじさんじ公式チャンネルにて『にじさんじ遊戯王マスターデュエル祭2023』が開催されました。

どんな大会かざっくり言いますと、にじさんじ所属ライバー16名が配布され構築済みデッキを元に行う、初心者経験者入り混じるエンジョイ大会です。

今回優勝したのがイブラヒムさん(以下敬称略)なのですが、まあそれが若干荒れている。
こちらもざっくり理由を言うと「エンジョイ大会でガチガチの環境デッキを使ったから」なのですが、これだけ言うといつものガチvsエンジョイ論争で終わってしまいそうなので、わかりにくい人にも向けてちょろっと説明しようかなと思います。



【そもそも】 別に何も悪いことはしてない

まず前提として、イブラヒムは何も悪いことはしていないです。
ルールの中で一番強いデッキを作り、順当に勝った。プレイングは間違いなく上手かったし、初心者相手には逐一効果の説明をする、効かないカードの発動を事前に忠告するなど終始紳士的な対応してます。
その辺りはむしろ非常に好感的で、大会の空気感を壊さないようにふるまっていたと思います。

では、何がまずかったか。

問題点① 元の構築がほとんど残っていない

彼に配布された構築済デッキは『闇黒の呪縛』
エースモンスターの「闇黒の魔王ディアボロス」を筆頭に、デッキ破壊ウイルスという罠カードを駆使して戦うデッキです。
まあこのストラクがそもそも構築完成度が低いとかいろいろ問題点はあるのですがさておき。今回のルールではこれをもとにオリジナルのデッキを組んでいくことになります。

そこでイブラヒムが混ぜたテーマがラビュリンス。罠カードを主体に戦う、現環境でも常にトップクラスにいる今日テーマです。

正直、このストラクに混ぜるならラビュリンス一択です。
テーマの相性もいいし、パワーとしても他の参加者に並ぶならこれしかない。罠を駆使して相手を絡めとるスタイルなので嫌われがちなのは仕方ないですが、元のストラク自体罠テーマなのでやること自体は同じ。テーマの方向性もちゃんと生かしています。

強テーマを混ぜること自体に文句を言っている人も居なくはないですが、そもそもほとんどの参加者が強いテーマとの混ぜ物を使用しており、前回よりも参加者全体のレベルが上がっていることからそこは良いと思います。
(純構築なのはそもそも混ぜることが難しいなBFやサイドラ、宝玉獣くらいで、そちらもクシャやタリホー!など色々使っていた)

ただイブラヒムのデッキが荒れたところに、混ぜ物というかほぼラビュリンスデッキだったという点があります。

例えば同様に環境最強クラスのテーマ、クシャトリラを混ぜた葛葉のブラックマジシャンクシャトリラデッキがあります。こちらも原形がないなどとそこそこ文句は出ていましたが、だいぶ差があり。
デッキのオリジナル要素(ブラマジ要素)にマークを付けたのが以下になりますが、

こんな風にまあ半分くらいはブラマジなんですよね。まあ回ると最終盤面はクシャトリラだけになるんですが、ブラマジあっての展開でもあるのでブラマジデッキで一番強い構築はこれで間違いないです。
これですらちょっと荒れてた。

で、イブラヒムのラビュリンスディストピア。

明らかに元の要素が少ない。
さらに言うならこの内何枚かはラビュリンスでも時々採用されるカードなので、本当にディストピアでしか入れないカードに絞ると

6枚。

流石に少ない。

加えて、先ほど紹介したエースモンスターの「闇黒の魔王ディアボロス」も不採用で、盤面としてはラビュリンスに知らんフィールド魔法が貼られているだけ。なんならそのフィールドもすぐ城に貼り替えるし……。
視聴者からするとほとんどいつものランクマッチと変わらないデッキになってしまったことが視聴者から反感を買った原因かなあとも思います。
(もちろんシャドウディストピアを生かしていたりラビュ要素を調整したり構築の完成度は高いのですが。繰り返しですがルール違反ではないし。でもせめてディアボロス入れてればなあ……)

問題点② デッキタイプが初心者には戦いにくい

まあこれはラビュでもディストピアでも同じなのでどうしようもないのですが。
罠デッキという変わったテーマなので止めどころが分かりにくい、わからん殺しされやすいというのはもちろんあるのですが。
加えて今回のレギュレーション。配布される資源に限りがあり使えるカードに縛りがある状況で、いわゆる誘発カードが使いづらい。
そこで救済措置として「増G」「うらら」「墓穴」の三種が全員に配布されています。

ですがラビュリンス、増Gが刺さらない。これがかなり辛くて、参加者の半数は初心者ですから誘発の当てどころ、適切な使い方が難しいんですよね。(とはいえ皆さん上手かったですが……)
そんな中で増Gだけはシンプルで、投げればとりあえず仕事してくれる。初心者の救いの手なんですがこれが効かないとなると一気に高度なプレイングが必要になる。

実際熟練者枠で増G効きにくいデッキなのイブラヒムだけなんですよね……。

さらに言うならコントロールデッキなので細かいミスの差で勝負が決まりがちで事故も少ない。(ほぼミスしなかったプレイングは見事でしたが。)
初心者側のワンチャンスが生まれにくいデッキタイプなので、少し酷かな~と思う面はあります。

問題点③ そもそものルールがゆるい

詳しいルールは本配信で確認してほしいのですが、要するにデッキのいじり方に縛りはなし。自由に変えていいため、どこまで元に寄せるかは各参加者に委ねられているんですよね。
そんな中で、他の人は強いデッキにしながらも元の要素を強めに残していた。えるさんのドラリン展開→ドラメ展開やエアルのクシャ→ランク4展開なんか見事でしたね。環境テーマを経由して最後には自分のテーマに戻っていた。
イブラヒムデッキのみが、最後の盤面も混ぜ物になってしまった。

ここはすり合わせしようもないし難しいんですけどね。空気読みみたいになっていた部分はあります。ピュアリィやめた人も居たし……。
エンタメ全振りの熟練者が多めだったのもな。
とはいえカチカチに縛りを入れてもエンジョイ感が減るし難しいんですけどねぇ。
ちょっとそこの空気を読み違えてしまった感じはあります。

問題点④ サブデッキまでラビュリンス

これは明確に良くなかったと思います。

今回、フェイバリットデッキと言って、一日に一度だけ自分の使い慣れたデッキを縛りなしで使えるルールがありました。
各々思い入れのあるロマンデッキや使い慣れた強デッキなど、違うデッキを自由に使っていたのですが、イブラヒムは何故かフェイバリットデッキまでラビュリンスを選択

しかも前述のとおり、さっきまでとほとんど同じ構築。(家具が増えて天底が入りました)

結局やってることが代り映えせず、ただただラビュリンスが強いだけになってしまった。最後までずっと変わらずラビュリンス。見ていてかなり疑問に感じたシーンです。
なんならフェイバリットでダイーザとかラーとか、ロマンデッキ使いが多かったので余計に……。


まあ大体こんな感じです。
色々反論もあるとは思いますが……僕個人としては混ぜ物自体は全く問題ないと思ってます。普段はイビルツイン使いたくてスプライト入れてるし。

ただ混ぜ物要素が強すぎた(=ただの環境デッキに見えた)こと、それがイブラヒムだけで少々浮いて見えたこと、そしてその強いデッキが順当に優勝したこと、が今回荒れた原因かなあと。

まあ、環境デッキ云々で荒れるのはいつものことでもあるのですが。

大会で勝ちに行く、という至極まっとうなことをしただけなので本当に悪いことは何もしていないです。むしろ時間のない中このレベルの構築とプレイングをしたことは凄すぎますね。とはいえ彼らはエンターテイナーが本業かつエンジョイ大会なので、もう少しそこと両立できたような気はしないでもないです。
せめてディアボロス入れてとどめを任せるとか……。もうちょいエンタメ要素入れたら荒れなかったかなあ。フィールド魔法一枚でストラク要素というのはさすがに地味だったかも。
まあ入れると明らかに弱くなるけど……。むずかしいね。

燃えたなどと書きましたが、本人がヒール役に努めたりMCもうまく盛り上げたりでそこまでコメントが大荒れしたわけではなく、自分も最後まで楽しく見ていました。大会としては大成功で間違いないと思います。
優勝したイブラヒムさんは間違いなくすごいですし、素直におめでとうという気持ちです。

ほんのり流れた荒めのコメントはこういう理由だよ~という感じですね。
いろいろご意見あると思いますが、遊戯王とにじさんじどちらも好きな人の戯言でした。ラビュリンスは割と好き側です。では。

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