実務補習は2日目が大変(午前編)

中小企業診断士の15日間の実務補習がやっと終わりました。15日間研修という名前ですが、実際は2月2日から3月11日まで、常に頭の中を報告書作業が占めていて、40日間ずっと補習を受けているような感覚でした。

今回の15日間実務補習は5日間×3社でしたが、来年からは8日+7日の計2社に変更されるとのことで、今回が5日間×3社コースの最後でした。

なので、これから中小企業診断士試験に合格して実務補習に従事する方とは、日程のスケジュール感が異なる可能性がありますが、基本的な流れは一緒であると思いますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

ちなみに、指導員のベテラン先生が実務補習を受けた大昔は、15日間ぶっ通しで2社を診断したとのことでした。そんなに連続して会社を休める人がいないため、その後、8日+7日になり、次に5日+5日+5日になり、また8日+7日に戻るみたいです。

なにやら”15日”という縛りがあるみたいで、その中で指導員不足もあり、3社から2社へ変更するみたいです。

それはさておき、5日間の中で、一番大変であった2日目の作業内容を書いていこうと思います。

2日目のゴールは提案コンセプトを作ること

2日目のゴールは、初日に経営者様からヒアリングした内容をもとに、提案コンセプトを決めることです。提案コンセプトは、報告書の全体を統一する理念みたいなものです。

ちなみに、報告書は経営戦略、販売、生産管理、情報、人事、財務などの5から6部門に分かれていて、トータルで90ページほどの作成が求められます。

提案コンセプトは、例えば「〇〇エリアで一番輝く高付加価値△△企業になる」とか「〇〇をもって人と人を笑顔でつなぐ△△を目指す」などです。私たちが、診断先の企業様に将来なっていて欲しい状態です。企業でいう経営ビジョンに近いイメージです。

例えば、ローソンの経営ビジョンは「目指すはマチのほっとステーション」です。身近な企業の経営ビジョンを実務補習の前にまとめておくと、良いヒントになるかと思います。

まずは環境分析

PEST分析でマクロ環境を、5フォース分析でミクロ環境の分析を行います。

PEST分析では、P(政治)は政府の価格転嫁の促進、E(経済)はエネルギーコストの上昇・インバウンド需要の回復傾向、S(社会)は東京都の人口動態、多様な働き方、T(技術)は製造のオートメーション化、IOTなどです

次に5フォース分析です。特に重要なのは、売り手と買い手の整理です。診断先は小さい企業であるため情報があまりないのですが、仕入れ先や取引先は大きい企業であることがあるため、そのHP情報などで動向が読み解けるからです。なので、ヒアリングの際は、売り手と買い手の具体的な企業名を聞き出すことが重要です。

5フォース分析の代替品は、例えば美容室だとトリートメント施術に代わるヘアケア美容家電の拡大、新規参入は低価格で技術力のあるカラー専門店などです。

PEST分析や5フォース分析ともに、事前にYouTubeで関連動画をチェックしておくと、理解が深まります。

続いて3C分析です

3C分析の顧客では、5フォース分析で出てきた”売り手”に加えて、将来的に顧客になりそうな層もピックアップします。

競合についてもヒアリング時に具体的に聞く必要があります。純粋な競合だけでなく、経営者様が参考にしている企業や、最近注目している企業などを聞き出せると尚良いです。

自社については、SWOTで取り上げるので、3Cはここまで。

SWOT分析

ヒアリングした内容から”強み”や”弱み”を書きだしていきます。私たちはポストイットを使ったブレストスタイルで作業を行った為、”強み”と”弱み”がともに30個ぐらい出ててきました。

次に、最初のミクロ・マクロの環境分析をもとに”機会”と”脅威”を書き出していきます。似たような言葉はまとめたりして、本当に重要な要素に絞ったりして、最終的にSWOTの各項目を5個ぐらいにします

ここまででSWOT分析は終了。以上の作業を9時~12時までに出来ればかなり順調です。

午前中で分析作業が終了したので、午後から事業ドメインの決定作業を行います。売上を上げる、または収益性を向上させるために、誰に何を売っていくのかということです。

例えば、マクドナルドの事業ドメインは「ファミリーに、スピーディーに気軽にハンバーガーを提供する」で、モスバーガーの事業ドメインは「高めの年齢層に、ゆっくり美味しいハンバーガーを提供する」です。

事業ドメインの決定には、2つの戦略フレームワークを使いました。長くなりましたので、続きはまた次回に。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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