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ビジネスメンバーが3人未満のスタートアップで HubSpot 導入に向けて行なったこと

こんにちは、ハイヤールーの高柴です。以前こちらのブログで HubSpot の導入に関して軽く触れましたが、周りを見渡してみると本当に色々な管理方法があることを知ったので、1人で導入をしてちゃんと使えるまでの変遷をご紹介し、これから利用する人にお役立ちできると幸いです。

特に我々は導入時点で専任のセールスメンバーがいない状態で、かつほぼ一人で導入していますので、ミニマムでスタートするにはどうするべきか、具体的にお伝えができると思います。

HubSpot を導入する前の状態

まず HubSpot を導入した時は以下のような状態でした。
・導入企業者数が50弱ほど
・セールス専任がいない状態
・Google スプレッドシートで管理している

当時私がジョインした時にこのような状態であり、課題がいくつかありました。
・やり取りの履歴が残らない
・変更履歴を残すことが難しい
・複数の料金プランに対応が難しくなる

これ以外にもありますが、後からジョインした人が、その企業でのやり取りを確認することがメールでのやり取りだと難しいというのは属人化がすごいため、コミュニケーションのコストがとても高いのはすぐ感じました。

今後のスケーラビリティを考えた時に、すぐに限界が来るとも思いました。一方で100社を超えるまでGoogle スプレッドシートで運用できるという話もあったので若干悩みましたが、結論この時点で HubSpot を導入して良かったと感じます。それはデータの蓄積の観点です。

スプレッドシートから HubSpot の移管をする時に、もちろん既存のデータを HubSpot に取り込むことができるのですが、基本的なデータが欠損しているため分析するには向いていない勿体無いデータがたくさん存在することになります。

一つ目の教訓としては、できるだけ早い段階でこういったツールを使い、運用を始めることです。データを溜めながら初期の段階からいいデータを持ち合わせることが可能です。

HubSpot を選んだ理由

さて、早い段階で SFA、 CRM を導入することがいいという話を書きましたが、なぜハイヤールーでは HubSpot を選択したのでしょうか。それにはいくつか理由があります。
・無料で始められる
・スタートアップ割引
・SFAだけでなくCRMも含めてある
・今後の拡張性が高い

無料で始められる

こちらのページで説明がされている通り、HubSpot は無料で始めることが可能です。もちろん使っていくと有料にしたくなりますが、初期は無料で始めることが可能なレベルでサービスが提供されていました。
そもそもどこまで必要になるか不明だった段階ではとても助かりました。

スタートアップ割引

多くの費用を払うのが難しいスタートアップには優しい導入プランがありました。それはスタートアップ向けの価格提供です。弊社は幸いにも Coral Capital という VC から出資を受けており、HubSpot の認定パートナーに入っているため、その恩恵を受けることができました。

当時、既に2億円以上の調達をしていたため、残念ながら90%割引にはならなかったのですが、50%割引でも十分に恩恵は受けられました。

SFAだけでなくCRMも含めてある

よく HubSpot と Salesforce のどちらがいいのか、という話がBizDev界隈で話題になります。私は残念ながら現時点でも Salesforce を使ったことがないのですが、利用している人に聞くと、カスタマイズ性が高い印象を受けます。もちろん HubSpot も上位のプランだとかなりカスタマイズ性に優れているのですが。

HubSpot のいいところは SFA も MA も兼ね備えている点です。

初期の段階はもちろんMAは必要ないですが、マーケティングメール配信や広告管理をはじめとするマーケティング機能やCRM、ナレッジベースやサポートフォームなどのカスタマーサクセスよりの機能まで一気通貫で利用できる点は、情報の集約性とラーニングコストを考えると良いと考えました。Salesforce の場合は Pardot との連携など、複数プロダクトに跨るため、不便に感じるマーケターもいるようです(聞いた話なので真実かどうかはわかりませんが)

今後の拡張性が高い

料金プランを見てもわかりますが、マーケからセールス、カスタマーサクセスまでありとあらゆる機能があり、プランによって使える機能が増えていく拡張性の高さも理由に挙げられます。まずは使い初めて、組織の規模が大きくなってから、ゆくゆく別のプラットフォームに乗り換えるのは移管のコストがかかるので、最初からスケーラビリティのある体制を整えたかったというのも大きな理由でした。

今は運用しながら、その時の課題に合わせた形でプランの変更を行っています。

初期の運用方法

ハイヤールーで導入した当初に考えていた運用としては会社とコンタクトのみを活用することでした。SaaSの料金体系なので、取引は合わないと思ったからです。取引は名前から商品を購入するといったトランザクションベースのデータを扱うものだと思ってました。

STUDIOでフォームを作っていたため、データの流れとして STUDIO のフォームから Google スプレッドシートへ書き込み、それをトリガーに Zapier で HubSpot にデータを追加する形で会社とコンタクトの情報を作成し、会社データに営業履歴を載せていました。また、会社のステータスを管理しながら次にどういったアクションを取るのか、整理整頓していました。

現在の運用方法

初期の運用方法で困ったことが出てきました。例えば以下の通りです。
・一度失注した企業が再度検討を始めた際に、失注からステータスを変えるため、過去データにおける分析が難しくなる
・ステータスを変更した時に、特定のプロパティに値を入れ忘れていまい、データの生合成が取れず分析が難しくなる
・複数の部署で検討している時に、会社のプロパティに複数の打ち合わせ情報を入力できない

調べていくと取引データを活用すると、解決できることが多そうだったので、利用しマイグレーションをし始めました。副次的に良かった点もいくつかありました。
・レポートにてステータスごとの遷移率を出すことができる
・パイプライン上でどれくらいの売上予測か判断が容易
・商品データを用いることでどういう契約だったか判定しやすくなった。
・契約時にプランごとの料金プランを探していたが、登録した商品データから簡単に選択できるようになった

今のところはこういった形で運用していますが、他のスタートアップではコンタクトや会社情報を中心に管理するケースもあるようなので、HubSpot における運用方法はビジネスモデルやサービスのフェーズによって適宜決められると一番良いかと思います。

その他にもワークフローをかなり多用したり、シーケンスを用いたりと、人が少ない中でも自動化をとことんしていますので、運用負荷は高くなく、うまく仕組みが回っている感じがします。このあたりはまた別の機会にご紹介できればと思います。

最後に

世の中には HubSpot コンサルという職種があるくらいには運用に困る方もいるらしいですが、スプレッドシートで管理できるレベルにデータの持ち方をなんとなく理解していれば、個人でも十分に導入できると思います。

今のハイヤールーで HubSpot を導入していなかったら、おそらく人手が足りず大変なことになっていました。一人当たりの生産性が大きく向上する重要なツールであるのは間違いないので、本記事が参考になれば幸いです。

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