#20代マーケピザ 養成所オンライン vol.3 「決算書から企業のビジネスモデルを読み解く」
9月から「20代マーケピザ 養成所オンライン」に参加させていただいているタイガです。
20代マーケピザについてはこちらのnoteに詳細が書かれてありますので、マーケティングを学びたいと考えている20代の方は、ぜひご覧ください。
私は現在、地方大手企業の1年目社会人です。
配属先は、近年注目され始めてきているSDGsを社内・社外に周知させる活動や広報を行う部署です。マーケティングとはあまり関わりがない部署ですね。
では、なぜ20代マーケピザに所属してマーケティングを学ぼうとしているのか?
それは、将来起業を考えているから。具体的な事業内容はこれから考案していきますが、自分の得意なこと・好きなことを提供しようと考えています。
事業を行うにあたって、集客やモノ、コトの魅せ方、商品を売る仕組み作りは必須ですよね。
マーケティングを学ぶことによって、以上のような事業を始めるにあたって必要な知識やスキルを身につけられると考えています。
これが、20代マーケピザに参加している理由です。
この20代マーケピザは、私の挑戦の第一歩。自ら学ぶ意識を忘れず、将来の夢を叶えるために学んでいきます。
20代マーケピザ課題「決算書から企業のビジネスモデルを読み解く
では、実際どのような活動をするのか?
先程ご紹介したnoteに詳細は書かれてありますが、活動内容の一つに月毎の課題があります。
この課題に各メンバーは取り組み、オンラインでメンバーがレビューを行い、マーケティングをメンバーみんなで学んでいこうというものです。
9月は「決算書から企業のビジネスモデルを読み解く」ということで、
自分が関心のある業界を選び、その業界の3社を決算書から分析します。
このnoteでは、その分析を行っていきますのでぜひご覧ください。
他の皆様に見てもらうということで、責任感を持って取り組めます。
課題の流れは以下になります。
①業界の選定
②企業分析(1社目)
③企業分析(2社目)
④企業分析(3社目)
⑤業界の課題・新規参入のアイデア
1.業界の選定→VR業界
【VR業界選定の理由】
①関心のある業界だから
分析を行うにあたって、自分が関心のある業界の方がモチベーションを保つことができますし、何より現在VR業界でトップを走っている企業はどのような事業を行っているのか気になったので、今回の課題ではVR業界を選ばせていただきました。
②様々な場面での利用が検討・実施されているから
VRはゲームとの相性が良く、VR事業を展開している企業は同時にゲーム業界にも事業を展開していると言ってよいでしょう。
ただ、VRはゲームだけに利用されているわけではなく、医療や不動産、ゲーム以外の娯楽、さらにはアートまでにも利用されています。それだけ汎用性と実用性がある技術だということですね。
そのような最先端の技術を分析してブラッシュアップできる機会は逃しておけません。
③起業で検討している技術だから
先程私が将来的に起業を検討しているとお伝えしました。
実はその事業内容の候補として、VR事業も検討しているのです。一からVR技術を開発して提供するわけではありませんが、今回分析を行うことで、事業アイデアの参考になると思いました。
以上3つの理由から、VR業界の企業を分析していきます。
また、VR業界は主に3つに分類できます。
・VRデバイス開発会社
・VRゲーム/アプリ開発会社
・VRシステム開発会社
今回はそれぞれ1社ずつ分析を行います。
2.VR業界企業分析 ソニー株式会社
VRにはハードウェアが必須。そのハードウェアデバイスを開発している代表企業がソニー株式会社です。
①企業選定の理由づけ
言わずと知れた世界のソニーですが、2016年にPlayStation VRを発売し、販売台数は累計で300万台を優に超えていますね。
実績も知名度もあるデバイス開発企業のソニーを分析することで、VR事業が現在どのような立場にあるのかを知ることができると考え、ソニーを選定しました。
②決算書から読むビジネスモデル/業界内の立ち位置
2019年度の第一四半期決算を見ると、売上高及び営業収入が279億円マイナス(前年度より1%減)になっていますが、営業利益は前年度より18%もプラスになっていますね。
ただ、税引前利益はマイナス26%という結果に終わっています。
減少要因としては、EP&S分野の大幅減収、増加要因としは、I&SS分野及び音楽分野の大幅増収が挙げられます。
全体の決算は以上のようになりましたが、ゲーム分野はどうでしょうか。
VRだけでなくゲーム業界のハードウェア部門で地位を確立しているソニーは、やはりG&NS部門で大きく売り上げをあげていますね。ただ、前年よりはマイナス146億円の売り上げとなっています。
また、I&SS部門は最も売り上げを伸ばしており、8部門の中で一番売り上げをあげています。こちらの部門とVRを掛け合わせると、さらに売り上げアップを見込めるかもしれません。
(※I&SS部門…テレビ、ビデオ、サウンド、メディカル、スマホ事業を軸として部門)
ゲーム&ネットワークサービス分野が売り上げを安定的にあげている要因として、「家庭ゲーム機」という私たち消費者に非常に身近で、昔から愛され続けている娯楽であることが大きいと考えます。
「ゲーム機といえばPlayStation。VRといえばPlayStationVR。」
このブランドを早くから確立したことが、現在までの売り上げ・純利益に良い影響を与えています。任天堂もゲームキューブやニンテンドーDSを販売しましたが、時すでに遅し。ソニーに遅れをとる結果となりましたね。
ゲーム業界を席巻したPlayStationの波に乗って消費者に提供したのが、PlayStationVR。以下の決算からも分かるように、今尚PlayStationシリーズは好評です。そのPlayStationに付属して提供したVRは、やはりVRハードウェア業界で他の企業よりも注目されることとなりました。
まとめると、ソニーはブランド力と実績、常に最先端を行く企業文化から、VRのハードウェア業界でトップの位置を確立しています。
③企業の強みと今後の課題
【強み】
・PlayStationという既に人気を確立したハードウェアに付属してVRデバイスを提供。
・他企業より大きな資本を持ち、売り上げをあげている自社他企業と相性が良い。
・世界販売台数400万台数、VRアプリ数100本という圧倒的な実績。
【今度の課題】
・PlayStation4のハードウェアの減収
2019年7月時点の見通しで下方修正。PlayStation4でしかVRを利用できないため、PlayStation4の販売台数を伸ばさなければいけない。
3.VR業界企業分析 株式会社コロプラ
ゲーム業界で地位を確立しているコロプラですが、VRを活用したゲーム・アプリ開発でも先端を走っています。
①企業選定の理由づけ
VRは多くの場面で利用できますが、その中でもゲームとVRの掛け合わせは私たちにとって身近であり、娯楽として将来性があります。
身近なサービスを分析することで、他の業界のマーケティングにも活用できる学びがあると考え、VR×ゲーム業界のトップを走るコロプラを選びました。
②決算書から読むビジネスモデル/業界内の立ち位置
2019年度第三四半期の決算推移を見てみると、年々売上高、営業利益が下がっていることが分かります。中にはマイナスになっている時期も見受けられますね。特に2019年の業績は過去最悪と言ってよいでしょう。
この要因としてあげられるのが、コロプラの主力ゲームアプリ「白猫プロジェクト」の周年イベントの準備です。例年3Qはこのイベントがあるため毎回減収になるようですね。広告費や外注費が大きなコストとなっているため、4Qは費用削減が求められます。
各ゲームの売り上げ推移を見てみると、白猫PJを筆頭に以前から愛されているゲームが売り上げの多くを占めています。VR事業においては、まだ大きな成果は見られないようですね。
VRアプリのリリースもまだ数少なく、認知度も高くありません。ですが、2019年の9月期の決算説明資料で、「位置情報」「スマホ」「VR」をキーワードにしたVRタイトルの提案がなされました。
まとめると、コロプラのVR業界でのビジネスモデル・立ち位置は、まだまだ発展段階であり、既存タイトルや他社タイトルとのコラボによってゲーム事業展開を試みている発展途上の企業であると言えます。
③企業の強みと今後の課題
【強み】
・2014年からVR事業を展開したことによる経験値
・他社の人気タイトルとのコラボが可能
(現段階でVRでは実現していない)
・VRによる「新しい遊びの提案」
【今度の課題】
・VRアプリの少なさ(現在は9タイトル)などの原因による業績の伸び悩み
・競合他社より資本や技術が劣る=VRアプリはこの企業!というブランドを他社に作らせてはいけない
(ソニーはアプリ数が100本+独自デバイスあり=圧倒的な売り上げ・営業利益)
4.VR業界企業分析 CYBERNET
大手SIerとして有名なCYBERNET。近年はAR/VRソリューションを多くのクライアントに提供しています。
①企業選定の理由づけ
VRソリューションでは「設計・デザイン支援VR」が代表的な事業です。自動車メーカーで設計部門におけるデザインレビューをVR活用することで手戻りによる工数・コストの増加を改善した実績もあります。
VRを用いた企業支援は近年でも見られない試みであり、日本の産業を支える将来性のある技術ですので、現在の決算と企業の特徴を分析してみたいと思い選定させていただきました。
②決算書から読むビジネスモデル/業界内の立ち位置
ビジネスモデルは、先ほどもお伝えしたようにVRを用いた企業支援の代表企業です。これまでのVRはゲームなどのアミューズメントへの利用が目立っていましたが、産業に利用し、実績をあげている企業の中でCYBERNETは群を抜いています。
決算を見てみると、VR事業だけの決算ではありませんが、売上高、営業利益、経常利益、純利益全ての項目がぜ1年前の実績よりも増加(営業利益は55%増加という驚異的な数字)していることが分かりますね。
1Qにおいては、毎年500百万円の成長が見られ、右肩上がりに順調に成長しています。決算の一端を担うVR事業による企業支援の先進的企業であることが、継続して売り上げが右上がりとなっている要因の1つでしょう。
また、輸送機器や産業機器、プラントなどを扱う業界では、VR空間上なら既存の3Dモデルデータを実物と同じ感覚で試作段階から検証できることから、フロントローディングを大きく加速させる手段としてVRの活用が広く定着しつつあります。今後もVRによる企業支援のリーディングカンパニーとしての活躍が期待されます。
③企業の強みと今後の課題
【強み】
・VRによる企業支援のリーディングカンパニーとしてのブランドと実績
・お客様の目的を実現するソリューションをゼロから企画・開発
(デバイスありきの事業ではない)
・デザイン支援や作業効率化、一般利用者向けのスマホアプリ、観光支援など多様なシーンでの利用を提案
【今度の課題】
・VR専門の企業よりはVR事業の売り上げが少ない
・他企業よりも従業員数、資産がやや少なく、今度の事業拡大が懸念
5.VR業界の課題と新規参入のアイデア
【VR業界の課題】
・ゲーム利用の場合、ハードウェアありきのサービスだと継続的な売り上げアップは見込みづらい。
・VRゲームの魅力、認知不足。(売り上げを上げるならゲーム業界を敬遠した方が良い?)
・個人相手のサービス提供は、それなりの資産と既存事業からの売り上げがないと生き残りづらい
【新規参入のアイデア】
・数年は既存事業と掛け合わせてサービスを提供していく
VRの事業展開は困難
→VRと相性が良い別の事業をローンチし、徐々にVR事業を展開
(例)不動産業×VR利用
・法人向けにサービスを提供
個人向けの新規参入は競合他社が多く困難
→まだ数少ない企業向け支援(ニッチ分野)でトップ企業になるのが効率的
(例)地方の中小企業の人員不足を解決するVR利用
VRで試作工程と開発コストを大幅削減
初めての決算分析にも関わらず、参考本を読むことなく進めてしまったことがミスだったかなと思います。通年の決算書がある企業を選ぶべきでしたし、業界・業種選定も、専門的に事業を行なっていないところを選んでしまったので、決算を探すのにも一苦労。
ただ、この経験はマーケティング会社に所属しない自分にとって良い失敗経験だと思います。マーケティングが苦手だと捉えず、まだ伸び代しかないと思って、これからも課題に取り組んでいきます。
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