見出し画像

近・現代ピアノ曲

ポリフォニーの楽譜を探していて、ふと気が付いた。
近・現代の曲をほとんど弾いてこなかったということに。

私がピアノをはじめたのは、昭和40年代(1960年代)。
西洋音楽は楽器の発達に伴い、「バロック期」「古典期」「ロマン期」という伝統的音楽様式を築いて「近・現代音楽」に至っている。音楽史を4期に分けて学ぶ方法は世界の常識となっているが、日本ではバイエル、ブルグミュラー、チェルニーといった古典期のテクニックを中心としたピアノレッスンがなされてきた。

例にもれず私もそのピアノ教育を受けてきた。
現在でもピアノの教本に使われることのある「バイエル」は1803年生まれの作曲家で、日本では江戸時代末期にあたる。この江戸時代の教本に従うと、「バロック期」や「ロマン期」の曲が弾けなくなる弊害も少なからずあるという。

とはいえ、バイエルを経て歩んできたピアノなので、今更どうこう言ってもはじまらないが、その後の私のピアノは古典期のテクニック中心で、ロマン期以降の曲はあまり弾いてこなかった。

私の育った時代のピアノレッスンは、ほとんどこの「古典期」に費やされ、その後のショパンやシューマン、リストという作曲家の曲は、テクニック的に難しいこともあり、音楽の専門の道へも進まなかったので、本格的にレッスンを受けてこなかった。近・現代に至ってはほとんど弾いたことがなく、そもそも教本さえもなかった。

だが、現在はもう違う。日本でも「4期別の学習法」の世界のスタンダードが取り入れられているし、導入メソードも多く出ている。
今までの古い学習法を見直し、自分のためにそれを取り入れることにした。

昨年は一年間、ピアノレッスンをお休みし、自分で自分のピアノ練習カリキュラムを組んでやってきた。大人になってからも、多くのピアノの先生についてきたが、そのどこでも、従来のピアノレッスンの域を出なかったし、ましてや大人になってからだと、大抵はこちらの希望に沿ってレッスンしてくれるので、新しいメソードを勧められることはなかった。自分もピアノ教室に行ってさえいれば安心ということもあり、「4期別の学習法」のことは知ってはいたが、それをやっていようという好奇心もあまりなかった。

私にとって独りのピアノ一年間は、ピアノと深く向き合うことのできた貴重な時間だった。自分のためだけに、自分にとって何が必要なのか、何が足りないのか、どのような練習がふさわしいのか、こもごも試行錯誤しながら進めてきた。2024年になり、今年一年をどのように進めてゆけば良いのかを考えていたとき、「近・現代期」が足りないことに気付き、それを今年のカリキュラムに組み込むことにした。

取り合えず楽譜を揃え、しばらく試行錯誤してみようと考えている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?