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toC PM Night#3~中・上級者編~他社事例に学ぶPdMが知るべきグロースハックの本質

どうも。RettyのよしDです。
9/12(木)にピクシブさんオフィスにてtoC PM Night#3を開催しました。

toC PM Nightとは

「PMは綺麗事ばかりじゃない。みんなが本音をぶつけて成長につながる場所を作りたい。」(by 運営PdMメンバー)

という想いで開催しているイベントです。

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今回は上記の3名に、

・実はグロースハックの中上級者が陥りやすい課題とその解決法
・重要な指標の見つけ方と実際の施策やその背景
・ユーザーとのコミュニケーションとプロダクトへの落とし込み方

について講演、LTしていただきました。

・今回は残念ながら来ることのできなかった方
・toC PM Nightて実際どんなことを聞けるの?と思っている方

に向けて、登壇内容のほんの一部と学びをレポートにまとめたいと思います。

もっと深い話が聞きたい!PdMと繋がりたい!と思っていただいた方は次回是非申し込んでみてください!

グロースに大切なことは「普通」のこと

今回イベントを通して感じたのはグロースハックについては「普通」のことをいかにやりきるか、そしてその「普通」の水準をいかに上げていくかが重要だということでした。

具体的な事例も多く紹介された基調講演、LTについて早速触れていきます!

今回のタイムスケジュールはこちら!

今回のtoC PM Nightは、下記のタイムテーブルで進みました。

・梶谷さん(MESON CEO)による基調講演(20min.)
・村馬さん(ピクシブPdM)によるLT
(5min.)
・伊藤さん(Mirrativ PdM)によるLT
(5min.)
・ワーク
・懇親会

1.グロース中上級者が見落としがちな3つの本質論~MESON 梶谷さん~

1つ目のコンテンツ、梶谷さんの基調講演ではグロース中上級者だからこそ陥る課題と、如何にそれらを乗り越えるかについて具体的なHOWをお話いただきました。

特にに印象に残った点は「本質的なグロースの仕組み化」です。
メトリクスの見つけ方、数値の伸ばし方はもちろん、グロース人材の育成まで仕組み化が確立されていました。

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今回はNSMの見つけ方、伸ばし方について考察も含めてレポートにまとめます。

<NSMを見つけ、伸ばす具体的な方法>
North Star Metric(NSM)とは

「それさえ追っていけば、プロダクトが本質的に成⻑する1つの指標」

のことを言います。
これが存在する理由は、「KGIとKPIの架け橋」です。
KGI対してKPIに上手くブレイクダウンできていないことも少なくないのではないでしょうか?
そこでNSMを設定し、NSMを伸ばすためのKPIを追うことでサービスを本質的にグロースさせることができるとのことです。
自分たちも、NSMの設定も含め、現在のKPIを追っている理由をしっかり自分たちの言葉で説明できる環境を作ることが大切だなと感じました。

<NSMの見つけ方>

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NSMは「VISION×DATA」で選ぶ必要があります。
グロースの中上級者でも、指標をデータからのみ設定してしまう人もいるといいます。(たしかにどうしても近視眼的になってしまいますよね…)
つまり、NSMは「グロースと共にVISIONを達成しているか」をみるための定量的なデータになります。
つまり、自分たちのプロダクトが実現したい世界と、それを証明するデータでNSMを設定します。

<NSMの伸ばしかた>

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NSMの伸ばしの本質は3つ。

・伸ばしたいMetricの分岐点を見つける
・分岐点の背景のWHYをユーザーテストであぶり出す
・見つけたWHYを施策に翻訳して実行する

3点ありますが、本当にやるべきことを丁寧に素早く実行することが本質だと感じました。
特に梶谷さんはユーザーテストの重要性を特に強調しているように感じました。
いくら数値の分岐点がわかっていても、それは改善する「箇所」であって「理由」ではないのです。
ユーザーテストをすることによってなぜそこを改善しなければいけないかが明確になるのです。
このスライドは特に刺さったPdMの参加者の方も多かったのではないのでしょうか?(僕はとても刺さりました…)

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当日は、より具体的に「どうやってNSMを見つけるか」「グロース人材を如何に育てるか」についても話していただきました。

2. 「好きな作品を"早く"見つけられる」ことがユーザーが求める本質だった~ピクシブ 村馬さん~

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続いてピクシブの村馬さんにはサービス成長のキーとなる概念を如何に見つけるかについてLTをしていただきました。
登壇資料はこちら!

実は海外ユーザーが全体の50%を占めているピクシブさん!
万国共通のグロースの本質という点でとても勉強になるLTでした。

<作品の閲覧体験を向上させるために行った3つのこと>
今回はユーザーの「閲覧体験」の向上にフォーカスしてお話いただきました。
ピクシブさんにとってユーザーの「閲覧体験」とは「創作物の発揮する価値を最大化する」というミッションを実現するための大切なファクターの一つでした。

結論から言うと

「pixivユーザーが好きな作品をたくさん見つけられるようにする」

ことが重要とのことでした。
そこに至るまでに下記の3つの経緯があったといいます。

1. SPAによる読み込み速度向上
 →作品閲覧数が40%UP
2.海外ユーザー向けにタグの検索改善
 →海外ユーザー検索数20%、継続率10%UP
3.レコメンドの改善
 →ユーザーアクション数(♡数)20%UP

特にSPAによる読み込み速度の向上に関するお話では、1%からリリースをして定性・定量分析を行って改善していったそうです。
前述しましたが、やはりグロースに関してはかなり地道で当たり前だと言われることを実直に遂行することが成功への近道なのだなと感じました。

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そして村馬さんのお言葉を借りて、前述の結論の解像度をより上げると

「pixivユーザーが好きな作品をたくさん見つけられるようにする」
作品を見つけるまでの時間を短くすること

がグロースの本質でした。
万国共通の「時間」という概念はたしかにグロースのキーになりうる指標ですね。

個人的には、全体を通してどの施策もすべて、ユーザーが主体の改善になっている点も印象的でした。
こちらも当たり前と言われることです。
しかし、ときに開発している自分たち都合の施策も出てきてしまうことがありませんか?汗
本当に素晴らしいスタンス、プロダクトだなぁと改めて感じました。

3.ユーザーの声から始まるプロダクト改善~ミラティブ 伊藤さん~

最後はミラティブの伊藤さんに登壇いただきました。
ミラティブさんは全社でユーザーの声を確認するなど、ミラティブさん独自のユーザーとの向き合い方が徹底されていました。

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<ユーザーフィードバックは全社で確認する>
ミラティブさんでは、ユーザーからのお問い合わせやTwitterのコメントを週に1回、その日出社している全員で確認するそうです。
この会では、改善点はもちろん、良かった機能改善についてのフィードバックも共有されるそうです。
伊藤さんによると、これはスタートアップならではの課題を解決するための良い手段とのことでした。
具体的には、スタートアップでは

「ミニマムに施策を打って検証を回しがち」でユーザーの声をないがしろにしてしまうことも少なくないこと

が課題。
それに対してミラティブさんでは、上記の手段でユーザーからの小さな声でもチームでしっかり認識しアクションできる仕組みが出来ている組織が出来上がっていました。

<ユーザーアンケートで定量では測れないデータと向き合う>
ミラティブさんでは前述のユーザーフィードバックに加え、ユーザーアンケートも積極的に行っているそうです。
実際に、「ゲーム実況配信者と一緒にプレーしたい」という声に対してミラティブ内でゲームのユーザーIDを簡単にシェアできる機能が開発されたとのこと。

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しかしユーザーの声を拾う際に注意を払っている点もあるとのことです。
ユーザーからの声や要望が必ずしもサービスのVISIONにマッチしているとは限らないため、かなり議論を重ねることもあるとか。
また機会があれば、要望は多かったけどやらなかった施策等があれば詳しくお聞きしたかったですね。

またミラティブでは週に1回、運営配信も行っています
生配信できるプロダクトならではですね。
そこでは、ユーザーさんと一緒にゲームをしたり、新しくリリースされた機能の説明等をしているそうです。

ユーザーさんといかにしっかり向き合い、それをプロダクトに反映するかをとても深く考えられていて、こちらも非常に学びが多いLTでした。

グロースハックのエッセンスをあぶり出そう~ワーク~

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今回はPM Night初の試みであるワークを行いました。
テーマは「成功事例/失敗事例からグロースハックの本質をあぶり出す」でした。

[ワーク内容]
1.自社or自分が関わったグロースハックの成功事例を出す
2.自社or自分が関わったグロースハックの失敗事例を出す
3.皆で1と2を共有し、チームでグロースハックの本質/共通点をあぶり出す
→発表

皆さん、自分のプロダクトのグロースに関しての成功事例/失敗事例はもちろん、普段の悩み等も話されていたのではないかと思います。
今回は下記のようなアウトプットが出ていました。

「グロースに本質は、普通のことを普通に遂行すること。ただ普通のことをやり尽くしたあとが難しい…」

「新しいプロダクトを作ったときにはユーザーインタビュー等を通して熱量の高いファンを作ることができた。その後、新たなユーザーに熱量を伝播させるのが難しい…」

これに対してパネラー陣からは

「たしかにグロースハックに銀の弾丸はない。だからこそ普通の幅を広げることをする。例えば、普段から良いプロダクトを触り尽くしてチームでシェアする。」(梶谷さん)

「古株ユーザー独自の機能の使い方等を、運営として機能に落とし込むのは一つの手。それによってチュートリアルや説明を作ることができ、新しいユーザーも馴染みやすい環境ができるかもしれない」(伊藤さん)

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懇親会

ワーク後には懇親会をしました。
普段はなかなか出会えない他社のPdMの方々と交流を楽しんでいただけたと思います。

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参加頂いた皆さん、スタッフの声はこちら!
(Twitterにて#pmnightを検索していただけると他にもたくさんご覧いただけます!)

toC PM Night、次回は今年の終わりから来年の頭にかけて開催できればと考えていますので是非奮ってご応募ください!

ご登壇、ご協力、そしてご参加いただいたみなさん本当にありがとうございました。

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