来客1桁の零細飲食店で、来店80名超、過去最高売り上げを出したイベントをやり遂げた話
こんにちは。
岐阜でWebマーケをしているYoshi(@motoy0shi)です。
今でこそWebマーケの仕事に携わっていますが、かつては自分のやりたいことが分からず、フラフラ生きていました。
そんな時に、自分がマーケティングを志すのに大きな影響を与えたできごとがありました。それは、かつて働いていた飲食店でのイベントです。
本日は、そんな自分の原体験とも言えるエピソードをご紹介したいと思います。そこで学んだのは「どんな逆境も、アイデア次第で変えられる」こと。
それではまいりましょう。
来客1桁の零細飲食店の挑戦
時は、2019年。まだ当たり前のように飲食ができた頃。僕は、いわゆる地方の個人経営の飲食店にアルバイトとして働いていました。
その飲食店はコンセプトはあれど、立地が悪く、売り上げは右肩下がり。平日には来客1桁なんてこともあり、スタッフのモチベーションも下がる一方でした。
そういった中、お店の4周年が迫ってきました。周年パーティーは、1年で一番来客も多く、売り上げも出るイベントです。昨年は20万ちょっとの売り上げ。この閉塞感を打ち壊すには、絶対に失敗は許されません。
するとマネージャーから一言。
「Yoshiくん、今年はイベントを任せるよ。」
売り上げ目標は、昨年を大きく上回る35万円。来場目標は80名。この来場者数、売り上げは過去1度も達成したことがありません。そこから僕の戦いがはじまりました。
予算がないなら、とにかくアイデアを絞ろう
成り行きでイベント企画を任された僕でしたが、現実はかなり厳しいものでした。特に問題なのが「予算」。ほぼタダで企画をつくり、過去一番の集客をしなくてはいけないのです。
いろいろと悩んだ末、自分たちが持っているリソースについて改めて考えてみました。まず自分たちは動ける、あとはお店のSNSアカウントがある、常連さんたちとのつながりもある…。
これまで無いことにばかり注目していましたが、今自分たちは何を持っていて、使えるのかを見つめ直してみたのです。
そこで目をつけたのは、お取引先様でした。実は、その飲食店はゲストハウス(簡易宿泊施設)を併設しており、いわゆる宿泊予約サイトといくつか提携していたのでした。また飲食店の運営のため、食品系の商社から仕入れをしていました。
そこでそういったお取引先様に、おかげさまで周年を迎えるので、協賛として何か物品提供などをいただけないかお願いしたのです。
すると、ありがたいことにどの企業様からも物品提供いただくことができました。宿泊予約サイトさまからは、旅行で使えるオリジナルグッズ。そして食品商社さまからは、ビール樽3本。今でもこのご恩には感謝しています。
次は、僕の番です。いただいた商品をただお渡しするだけでは、あまり面白味がありません。物品をどのように見せれば、来場してくださる方が楽しんでくださり、売り上げもつくれるか必死に考えました。
飲食店においては、ドリンクが一番粗利が取れるため、売れてほしい商品です。そこで、来場してくださった方がもう1杯ドリンクを買いたくなる仕掛けをつくることにしました。
考えたのが、これらの企画です。
1つ目の「ドリンク買ったらその場で当たる!抽選くじ」は、ドリンク購入ごとにその場で抽選くじを引いてもらい、当たればスポンサードいただいた旅行で使えるオリジナルグッズをプレゼントする企画。
2つ目の「ジャンケン買ったらビールがタダ」は、名前の通り、スタッフとジャンケンし、来場してくださった方が勝ったら、ビールをプレンゼントしてしまう企画です。ちなみに負けたら、ビール代は支払わなければいけません。
特に2つ目のジャンケン企画は、スタッフ間でも議論を呼びました。しかし、協賛いただいたビール樽を使うので原価はゼロ。確率論から言って1/2は売り上げが立つし、何より来場者が絶対盛り上がります。
絶対上手くいくと他スタッフを説得して、なんとか実現にこぎつけました。
やれることは全部やる
いろいろと企画を準備はしましたが、お客様が来場してくださらなければ意味はありません。そこで集客するためにできることは全部やりました。
またご愛顧いただく常連さまに対しては、特別なポストカードをお渡しすることにしました。日頃のご利用に対する感謝と、イベントのお誘いが書いてあり、スタッフ直筆のメッセージと一緒にお渡しします。
実際にカードを受け取った常連さまは驚いた表情で、こう言ってくださいました。「こんなイベントあるんだね。ぜひお邪魔するよ」と。
こうやって地道だけど、着実にイベントについて告知を続けていきました。
運命の当日。蓋を開いてみたら…
イベント当日。準備をしてきた自分としては、運命の日です。
開場時間まであとわずかとなった時、常連さんが来てくださいました。
「今日はたくさん集まるといいよね」と、常連さん。
僕にできることはもうありません。祈るような気持ちで来場時間を待ちました。
そして来場時間になると、、、
見たことがないペースで、お客様がやって来ます。
受付スタッフも大忙し。次第には、受付が間に合わず、外まで行列ができる状態に…!
いつも来てくださる常連さんはもちろん、友達に誘われたと初めて来てくださるお客様もみえました。
そこまで広くない店内は、人で溢れて、掻き分けないと前に進めないほどの盛況ぶりに。
そしてイベントスタートをすると、店内の一角で大盛り上がりな人たちが。そう、あの「ジャンケン勝ったら、ビールがタダ」企画です。
人はタダ酒の誘惑に弱いらしく、なんとしてでも勝ってやろうと、果敢にジャンケンに挑みます。とはいえ、なかなか勝てない。だから、悔しくてもう1回チャレンジする。中には、相当な負けず嫌いなのか、5回も挑戦してくださる方もいたほどです。
その後、イベントはさらに盛り上がり、飛ぶようにドリンクが出ていきました。これまで売り上げが振るわず、どこか元気がなかったスタッフの顔にも、笑顔が広がります。
最終的には、来場者数が82名、売り上げは40万円近くと、目標をバッチリ達成して無事終了したのでした。
おわりに
このイベントを通して学んだこと。
それは、「どんな逆境でも、アイデアがあれば道は切り開けられること」でした。
僕が今関わっているWebマーケにおいても、リソースが十分あることはまずありません。むしろほとんどのケースでは、人はいない、予算はないなどの問題が付きものです。
ただ無いものに目を留めて現状を嘆いていては、何の解決にもなりません。
だったら、今何が自分たちにあるかを考えて、それらをどう活かせばよいのか考える。この思考が逆境を変えてくれる鍵なのかなと思っています。
この記事がどなたかのお役にたてば嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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