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Webマーケに携わる僕が、2022年に読んで良かった本を10冊紹介します

みなさん、こんにちは。
岐阜でWebマーケをやっていますYoshi(@motoy0shi)です。

早いもので、2022年もあと数日でおしまい。ということで今回は、僕が2022年に読んだ本の中で特に面白かった本を10冊紹介します。

どれも良い本ばかりだったので、興味があればぜひ買って読んでみてください。それではまいりましょう。

それぞれの本に関する書評は、あくまで私個人の感想になりますので、ご理解の上お読みください

2022年読んでよかった本10選

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング Webマーケティングの成果を最大化する83の方法

1冊目は、Webマーケ界隈の方はほぼご存じの、北の達人コーポレーションの木下勝寿さんの著書です。

よく戦略の話でこんな言葉を目にします。
「戦略の間違いは、戦術では補えない」

この本で語られていることも、まさに同じだと感じています。どれだけ広告配信やクリエイティブを工夫しても、そもそものお客様像を間違えていては、大きな改善は難しいところか、時間とお金を無駄に垂れ流してしまうことになるのです。

だからこそWebマーケターは、ともかくお客様を徹底的に理解する姿勢を忘れてはいけないと改めて思わせてくれた1冊でした。


PLG プロダクト・レッド・グロース「セールスがプロダクトを売る時代」から「プロダクトでプロダクトを売る時代」へ

2冊目は、SaaS業界で昨年末に話題となった、このPLG(プロダクト・レッド・グロース)です。

僕自身、SaaSを提供しているクライアントのマーケティング支援に携わっており、その勉強として購入して読んでみました。

Webマーケティングでの鉄板施策は、LPをつくり、Web広告をかけ、CVを獲得していくこと。しかし、多くの人が広告慣れし、CPCが高騰している今、これらの施策はコストパフォーマンスが悪くなっている気がします。

一方で、人の購買行動においてクチコミはますます重要度を増しています。実際、私が支援するサービスの競合を購入した人にインタビューすると、驚くほど「Twitterの〇〇さんから良いと聞いたので、購入した」という声があったのです。

だからこそ、サービス自体がお客様を惹きつけ、自然とクチコミを生み出すような仕掛けが求められていると感じています。

このPLG本には、かなり具体的にサービスを販売していく戦略や戦術が記載されています。SaaSのマーケティングに携わる方は、必見の1冊です。

新規事業を成功させる PMF(プロダクトマーケットフィット)の教科書

3冊目は、B2Bマーケティングでお馴染みの、才流の栗原康太さんの最新刊です。

最近、事業開発を担う部署に異動になりまして、サービス開発などにも携わっていることから、勉強として読んでみました。この本を読んで改めて感じたのは、手順を守ることの大事さです。

新サービスをつくった際に、すぐ「認知を一気にとって、プロダクトを売り込むぞ」と大きな広告費をかけてしまうのは本当に危険です。もしプロダクトがお客様のニーズを満たしていなければ、全く売れないどころか、大きな赤字を掘ってしまいます。

だからこそ、できるだけ小さくステップを切りながら、顧客の課題が本当にあるのか、その課題の解決として自社のサービスは役立つのかを検証しながら進めることが重要なんだなと。そして、プロダクトが市場を捉えてから、ようやくアクセルを踏むべきなのです。

マーケティング支援をする上でも、重要な視点を与えてくれた1冊でした。

リーン・スタートアップ

4冊目は、上記に関連して、スタートアップ界で有名な「リーン・スタートアップ」です。

僕自身、Webマーケに関わる人間ですが、マーケティングミックス(4P)からみたら、プロモーションのごく一部しか分かっていないなとの反省があり、プロダクト開発についても学ぼうと上記の本を読んでみました。

リーン・スタートアップを読んで学んだのは、MVP(Minimum Viable Product)の考え方です。これまで言葉自体は知っていたのですが、この本を読んで、作り込まない重要性に気付かされました。

これはWebマーケでも同じだなと。WebサイトやLPを作る時に、何十万、何百万と費用を投じる割には、成果が出るかどうかはぶっちゃけ賭け的なところは否めません。

当然、調査分析をしてその成功確率を高めますが、それでも100%のものを作るのは不可能です。なぜなら、作っている間にもマーケットは変化しているからです。

今後の仕事においても、小さくつくってブラッシュアップしていく姿勢は大事にしたいと思わされました。

ビジネス思考法使いこなしブック

5冊目は、普段コンサル的な業務をする中で、思考法をもっと磨きたいと思い読んだ1冊です。

〇〇シンキングという言葉はいろいろありますが、大きく分けると以下の3つに分けられるようです。

  1. ロジカルシンキング

  2. ラテラルシンキング

  3. クリティカルシンキング

いずれの考え方は道具であるため、より多くの思考法を知っておくと、課題解決の際に役立ちます。

この本では例題をもとにそれぞれの考え方について解説があり、とても分かりやすいため、初学者にはよさそうです。

RCT大全

6冊目は、あるセミナーの講義で紹介されていた「RCT大全」です。

RCT(ランダム化比較試験)は、我々の業界ではABテストと呼ばれることが多いですが、科学的に施策の効果を評価するための手法です。業務で「この施策は効果があったと本当に言い切れるのだろうか」と、時々思い悩むので、その解決策を求めて読んでみました。

読んで驚いたのは、みんなが効果があると思っていたことが実際にRCTを行うとそうでもなかったり、逆効果だったりすることでした。

多くの人が関与する意思決定では、確かなデータがなくてはなかなか議論が前に進みません。その点、RCTは科学的に論拠を提示できる上で強力な手段になりそうだと感じました。

今後の業務でも活かせそうなヒントを多く得られた1冊でした。

ビジネススクール意思決定入門

7冊目は、意思決定に関する本。著者は、仮説思考などで有名な早稲田大学ビジネススクールの内田和成先生です。

普段業務の中では、クライアントにデジタルマーケティングに関する提案をしていますが、どうもなかなか前に進まないもどかしさを感じていたことから、企業における意思決定について学びたいとこの本を読んでみました。

読んで感じたのは、意思決定は本当に難しい作業であること。意思決定するための材料が100%出揃っていれば悩みは少ないですが、現実としてそんなことはありません。逆に材料が揃うまで待って意思決定をしていたら、もう手遅れなんてことになりかねません。

不確実性をいかにコントロールして、打ち手を下すのか。まだ自分自身も消化しきれていないですが、今後も1つの興味として理解を深めたいと思っています。

データ分析・AIを実務に活かす データドリブン思考

8冊目は、意思決定に関連してデータをどのように扱ってビジネスに役立てていくかを示唆してくれた「データ分析・AIを実務に活かす データドリブン思考」です。著者は、元 大阪ガス、現在 滋賀大学でデータサイエンス学部 教授の河本先生です。

実際、現場での悩みとして「いろいろデータを分析してみたものの、本当にビジネスに役立つ示唆をアウトプットで出せているか自信がない」ことがあります。どんなに一生懸命データを掘り下げても、それが今解くべき問題につながらなければ、意味はないのです。

この本では、ビジネスに役立つためにデータとどう向き合い、考えていくかを事例をもとに詳しく解説されています。読んでいて自分も胸が痛くなる部分がありましたが、データに携わる者としてぜひ読んでおきたい1冊です。

「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ

9冊目は、太平洋戦争で日本がとった行動を考察した「失敗の本質」の入門書です。とあるセミナーで日本人の思考を知る上でよいとオススメされて読んでみました。

戦争とWebマーケ。一見全然違うものに感じますが、この本を読むと「あるある」ネタが満載で、思考の本質的な部分は一緒なのかなと思わされます。

序章である日本とアメリカの占領戦略は、その際たる一例です。日本は、南方に侵攻する際に、すべての島を守ることが重要と考えて、兵力を分散させました。一方でアメリカは戦局において重要な島だけに注力し、他の島はほぼ放置しました。まさに選択と集中ですね。

他にも意思決定や人材の活かし方などにも、学びがとても多い本でした。ちなみに関連の「失敗の本質 リーダー編」も面白いのでぜひ。

エフォートレス思考

10冊目は、名著「エッセンシャル思考」の続編である「エフォートレス思考」です。

このエフォートレス思考は、絞りこんだやるべきことをいかに楽してやるかについて示唆を与えてくれる本です。

学校教育では「頑張ることは素晴らしい」と教わりますが、ビジネスにおいてすべてを頑張っていたら体がいくつあっても持ちません。だからこそ、いかに最小限の努力で成果を上げるかを考えなくてはいけないのです。

この手の自己啓発本は、あまり読まないのですが、エッセンシャル思考とエフォートレス思考は自分の生き方を見つめ直す上で有益な本です。この記事を書きながら、改めて読み直してみようと思いました。

【番外編】渋谷ではたらく社長の告白

番外編として取り上げたいのが、サイバーエージェント社長の藤田晋さんの自伝です。昔からある本ですが、友人にオススメされたので今更きちんと読んでみました。

今でこそサイバーエージェントは日本を代表する企業ですが、創業からの過程は想像を上回るものでした。先日のワールドカップで、ABEMAが放送権を買うために巨額の投資をしていましたが、この本を読むとその賭けすらも不自然なことではないなと思わされます。

ここまでストイックな働き方はできる気がしませんが、伸びる会社はこういった雰囲気もあるんだろうなと思わずにはいられません。

おわりに

この記事では、僕が2022年に読んだ本10冊を紹介しました。

忙しい毎日を過ごしていると、どうしても本を読む時間も減ってしまいます。しかし、本を読むことでこそ得られる知見はとても大きいと感じています。アウトプット偏重になりやすいからこそ、インプットの時間をつくることが、本当に大事だなと思うこの頃です。

また改めてリストアップした本を見ると、興味を持つ本も変わってきたなと感じます。来年はどんな本を選ぶのか、自分でも楽しみにです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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