アイキャッチ_育児は仕事の役に立つ_

育児は仕事の役に立つ「ワンオペ育児」から「チーム育児」へ

本の紹介者:ゆうひん


こんな人に読んでほしい。
・休校の影響によるワーク・ライフスタイルの変化にとまどいを感じる子育て世代
・今妊娠している人・これから育休明けで復帰する夫婦(母親だけではなく父親もぜひ)
・将来子どもを産みたいけどそのためにはキャリアをあきらめなければいけないのか?ともやもやしている女性
・育休明けの部下をどのように扱ったらいいか分からない上司

1.この本のおススメポイント

 コロナウイルス対策のため、全国一斉休校から約一週間が経ちました。

 企業の在宅勤務推奨や休校による影響でお父さん・お母さん共に子どもと触れ合う時間が増えているのではないでしょうか。また、そのような環境の変化に伴って自身のタイムマネジメント法が変わったり、夫婦間の密な連携が必要になったりとワーク・ライフスタイルも変わっていると感じます。

 普段「育児と仕事」は切り離されがちな分野ですが、育児を経験することによるセルフマネジメントやマインドセットは仕事にも活かされると感じてきました。その実感を科学的に論じているのがこの本です。

 今回の騒動を通してライフスタイルの変化をポジティブに捉えていただきたいと思い、「育児は仕事の役に立つ」を紹介させていただきます。

2.本書の構成・内容

①共働きの必要性と「チーム育児」について
 夫婦世帯の6割が共働き世帯になり、家計にゆとりのある生活をするためには共働きは必須とも言える世の中。子育てはいわゆる「おむつ替え」など単体の行為だけでなく10年単位のプロジェクトであるため、チーム体制を作ることが重要になります。チーム体制を作るには「家庭内での協業」「育児の情報共有」「家庭外との連携体制構築」が必要です。

②「チーム育児」が仕事に与える影響
 チーム育児体制を作ることは、子育て世代のビジネスパーソンが身に付けたい「リーダーシップ能力」が向上することを様々なデータで証明しています。特に「業務能力向上」「他部門理解促進」「部門間調整能力向上」「視野拡大」「自己理解促進」「タフネス向上」などに効果があります。

③「チーム育児」実践のスリーステップ
ステップ1 振り返る
 夫婦で話し合って決めたことを、振り返る時間を持つ。

ステップ2 見直す
 役割分担を見直す。その際には「人に頼ってもいいんだ」というマインドセットが重要。また、自分達が大事にしたい価値観を見直した際には転職や引っ越しなどの大きな決断につながることもある。

ステップ3 やってみる
 ベビーシッターや家事代行なども気軽に試してみる。この3サイクルを回し続ける。

3.この本を読んで

 先日とある女子大生から「ある男性起業家さんのピッチで『趣味は子育てです』というコメントに会場から「おー!」という称賛の声が上がったんですね。これってどう思います?」という話を聞きました。

 働く女性が「趣味は子育てです。仕事が休みの日は子育てを楽しんでいます」と発言したら、その場はどのような反応になるでしょうか。(今度どこかで言ってみようと思います)

 日本ではまだまだ「子育ては女性がするもの」という性別役割分担意識が強く、それがジェンダーギャップ121位という数字に大きく影響を及ぼしていると感じます。

 この本にもある通り、子育てを通して得られる経験・スキルは男女関係なく仕事力(特にマネジメント力)を鍛える格好のチャンスです。働くお父さん・お母さん、取り巻く職場の方達にもそうしたことを知ってもらうことが「子どもを持つことがキャリアのじゃまをしない」社会のきっかけづくりになればと思います。


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