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駐在員が現地で力を最大限発揮する土台づくり~「役職」と「レポートライン」設計~

こんにちは。よしです。タイでも「鬼滅の刃」が浸透し、最近ではうちの社員が“ガンプラ”(ガンダムのプラモデル“に夢中になっているので傍目で見ており、「日本のアニメ文化は凄いな~」と改めて感じている今日この頃です。

さて、本日は結構実務的な話で、駐在員が海外業務を遂行する上で重要な要素である「役職」と「レポートライン」についてふれたいと思います。

海外駐在員の「役職」は日本にいた時と比べてどうなるか?

巷で聞いた事があるかもしれませんが、海外駐在員の役職は日本にいた時とくらべると、1つか2つ、もしくは会社によってMax3つくらい上になるかもしれません。例えば、日本で役職がなかった人も、海外ではSenior ManagerやDirectorとなっていたり、日本で課長レベルであっても、Vice PresidentやGeneral Director、時にCEOとなったりするケースです。実際私もベトナムで新会社・新工場を設立した時の役職はDirectorでしたが、日本だと役職なしもしくはリーダーと呼ばれるレベルでした。

さて、日本からみると海外に赴任しただけで、見かけ上偉くなったように見えるのですが、実際にはやる事や責任も増えます。特に東南アジアの新興国に赴任した途端に責任ある立場に就くケースがあり、赴任者も「なんか偉くなったようでラッキー」と思っていたのも束の間、実力がない間はプレッシャーで吐き気がします。ベトナム時代の私が「10円ハゲ」が出来たこともプレッシャーが大きく掛かった為と思われます。
 #お前そんな繊細じゃないだろう
 #単純に皮膚が弱かっただけじゃねーかという噂もある

海外における「レポートライン」の重要性

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責任が大きくなったことに伴い、それに応じて適正な「役職」をつけるのは非常に重要なのですが、海外において更に重要なのが「レポートライン」になります。日本では正式なレポートラインではなく、まだまだ「関係性重視」で仕事を回す事があると思います。例えば

 ・Aさんは元・上司だったし、Aさんの頼みだからやろう
 ・Bプロジェクトでお世話になったCさんに、ここで恩返ししよう
 ・他部署のDさんがリーダーシップあるし、この人についていこう


などなど。時として「役職」を度外視し、自分のレポートライン外であっても「関係性重視」で動く事があります。

ところが海外はレポートラインを非常に大事にしており、自分の上長が誰なのか、役職は何なのかを良く見ています。そして、基本その通りに動きます。関係性重視で動く事もゼロではありませんが、日本と比べて極めて少ないと言えます。

組織の柔軟性や規律・一貫性を考えた時にはどちらも長所と短所があるので、どちらが良い悪いという議論をここでしたいのではありません。海外では「役職」「レポートライン」を日本よりも重要視する傾向があるという事です。
 #タイ人もレポートラインを重要視している
 #レポートラインの上長が昇給や昇格を決めるというのも大きい要因

駐在員が現地で力を最大限発揮する土台づくり

責任の増す駐在員に日本にいた時の1~3つ上の「役職」を海外で与えるのは、どの企業においても比較的適正に行われていると思うのですが、たまにあるのが「レポートライン」がうまく設計されていないケースです。

役割は明確に与えられて、かつ役職もついているのですが、実際には部下がいなかったり、海外特有の「ドットライン」というものがついているだけのケースがあります。しかし、ドットラインだけでは現地メンバーからの報告強制力がやはり弱く、自分が知りたい情報をタイムリーにキャッチしたり、自分のやりたいことを落とし込むことが難しいのです。

昨今、日本では「役職や肩書きに左右されない人間関係を構築する」ことの重要性がクローズアップされたり、ちょっとアンテナを高く張っている人は、欧米型の「ホラクラシー型組織」を勉強し始めているかもしれません。


GAFAや流行りのユニコーン企業だけを注視していると、そんなフラットな組織設計がなされていると思いがちですが、海外でもまだまだ縦割りで、役職・レポートラインを重要視しているところが大半だと思うのです。

以前のnoteでは駐在員のRoleについて書いたことがありましたが、Roleとともに、これらの「役職」や「レポートライン」の設計をバランス良く行うことで、駐在員が現地で最大限力を発揮できる土台が構築できると思います。


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