309. LGBTがいろんなところで取り上げられるようになってるけど、自分の周りにいないし、自分には関係ない。なんでそんなに騒がれているの?
LGBTをはじめとする性的マイノリティはこれまで笑いのネタだったり(例:とんねるずの石橋貴明のキャラクター「保毛尾田保毛男」など)「オカマ」「オトコオンナ」「レズ」などと言われたりして蔑まれてきました。
しかし欧米などの影響もあり、そして日本国内でも性的マイノリティのパレードなどが行われ、当事者の中から「同性婚」を認めない国を訴える訴訟がおこされました。またSOGIハラがパワハラに含まれ、今年(2022年)からすべての企業でパワハラ防止措置が義務化されました。
SOGIというのは、Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)を合わせた言葉です。
具体的にはパワーハラスメントの中の精神的な攻撃の例として、「① 人格を否定するような言動を行う。相手の性的指向・性自認に関する侮辱的な言動を含む。」とされています。
「ホモって気持ち悪い」
「あの子と仲良くしたらこっちもレズと思われちゃう。みんなで無視しよう」
こういった言動はSOGIハラになります。
また、パワハラの中には「個の侵害」というものがあり、例として「労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報について、当該労働者の了解を得ずに他の労働者に暴露する」とされています。
あなたが相手の性的指向や性自認を本人の了承なく他人にバラす行為はやってはいけないことなのです。
性的マイノリティだからといって蔑んだり、見下したり、失礼な言動をとったりしてはいけないということです。
このSOGIハラは、「知らなかった」ではすみません。LGBTのことでなぜ世の中が騒がしいのかわからないというのでは困ります。あなたがSOGIハラの加害者になり訴えられることも考えられます。
LGBTは自分の周りにいないから関係ない、というのはもう時代遅れなのです。あなたの周囲にもLGBTをはじめとする性的マイノリティの人たちはいるけれども、ただあなたが知らないだけという場合もあります。
先週の金曜日(2022年5月27日)にトランスジェンダーの女性が元上司をSOGIハラで訴えたというニュースがありました。もう「知らない・関係ない」の時代ではないのです。
参考資料
厚生労働省 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)「職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!」
「なくそう!SOGIハラ」実行委員会 「なくそう!SOGIハラ」
画像:Photo by Peter Lawrence on Unsplash