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305. LGBTって「ライフスタイル」なんですか?

いいえ、そうではありません。

まず、「ライフスタイル」という言葉が何を指しているのか、定義を見てみましょう。

生活の様式・営み方。また、人生観・価値観・習慣などを含めた個人の生き方。

(デジタル大辞泉)

消費者が社会的、経済的、文化的な条件のもとで示す生活のスタイル。興味、見解、金銭の使い方、行動によって表れるような個人の生活パターン。

(DBM用語辞典)

例えばレズビアンの女性の場合、自分の「価値観」として女性を性愛の対象としているわけではありません。女性と女性のおつきあいに価値があるからレズビアンになったということではありません。

トランスジェンダー男性は、男性として生きていった方が自分の生き方としてふさわしいと考えたから女性としての生き方を捨てて男性として生きていくことを「選んだ」わけではありません。

性的指向(どちらの性やものに性的に引かれるのか)や性自認(自分が認識している自分の性別)は容易に変えられるものではありません。生まれつき持った個性です。

つまり、ライフスタイルは個人が自由に選べるもの。どうやって生きていくか、例えば健康に気をつかって生きていこうという人は健康志向でしょう。その人はジムに通ってトレーニングをしたり、サプリを飲んだり、揚げ物ばかりのお弁当は食べたりしないというふうに生きてくわけです。

上の2つ目の定義で言えば、何にお金をかけるか、かけないかを決めて生きていくということが言えると思います。健康志向の人は健康な体づくりのために多くのお金を使うことでしょう。そういう生活をするということです。

では、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの人たちはそうやって自分で「どのように生きるのかを選び取って」生活しているのでしょうか?

私はそうではないと思います。性的志向が個人の自由な意志で選ぶことができるのなら、ゲイの人たちはなぜわざわざ「ホモ」「おかま」と呼ばれて周囲の人に嫌われるような人生を選び取るのでしょう?

LGBTに限らず性的マイノリティと呼ばれる人々がみんな「そういうライフスタイルを選び取って生活している」というのはおかしいでしょう。なぜ自ら進んでマイノリティになりたがるのですか?目立ちたいためですか?

健康志向の人が自分で自分の健康に気をつかってジムに通うという選択をするように、「明日からそういうふうに頑張って生きていこう」と思ってわざわざLGBTに代表されるような性的マイノリティになる人はいません。

逆に私がもしライフプランナーという肩書きで、この記事を読んでいるあなたに「ゲイ/レズビアン/バイセクシュアルというおしゃれなライフスタイルをご提案いたします」と勧めたら、あなたはそのライフスタイルを選び取るでしょうか?


参考資料:

Weblio辞書 「ライフスタイル

Domani 「【今さら聞けない】〝ライフスタイル〟とは具体的にどういうこと?」(2021.10.15)

画像:Photo by Sincerely Media on Unsplash