341.【SDGsと性的マイノリティ】ゲイレズって持続不可能じゃん。子孫残せないんだから。
今回の意見はツイッターから拾ってきたものです。まず、SDGsとは何かというところからおさらいしておきましょう。
実は17のゴール、169のターゲットの詳しい説明の中に「性的マイノリティ」という言葉は入っていません。
国連にはイスラム教など、同性愛(行為)を禁止している国が加盟しているため、全会一致で取り組むために、そういった国に配慮して、「性的マイノリティ」や「LGBT」という言葉は使われませんでした。
しかし、「誰一人取り残さない」とあるように、実質的には性的マイノリティもこのSDGsの中に含まれると解釈されています。
さて、みなさんはSDGsという言葉を聞いてまず何を思い浮かべますか?
プラスチックごみの削減、それにともなう(買い物に使う)マイバックの使用、ファストフード店でのプラスチックストロー廃止などでしょうか。
もちろん、気候変動を見据えた地球環境を守るということは大事なことなのですが、SDGsの持続可能な開発というのは本来、「環境を守り,すべての人の人権を尊重しながら経済成長をしていく」ことを目標としています。
「人権」という言葉に拒否反応を示す方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、私たちは性的指向や性別、家が豊かかどうか、といったことに関わらずみんな等しく生まれた時から人権を持っています。
話は変わりますが、みなさんの中には最近アフガニスタンのニュースを見た(読んだ)方もいらっしゃるかもしれません。
米国の歴史の中で一番長い戦争といわれた戦争を終わらせるために、バイデン大統領は昨年アフガニスタンからアメリカ軍を引き上げました。その後で政権を握ったのがタリバンです。
タリバンは厳格なイスラム主義を市民の社会生活に適用して、女性は家にいること、教育を受けていいのは小学校までと決めてしまいました。
女性であるという、それだけの理由で教育を受ける権利が奪われたのです。
これは明らかにSDGsの目標である「すべての人の人権を尊重する」が守られていないと思います。
そして、私は同じように、「性的マイノリティであるから~ができない」ということはSDGsの目標に反していると考えます。
レズビアンやゲイは子孫が残せない。その点だけが強調され、レズビアンやゲイが結婚できないというのはおかしいと思います。
大切なことなのでもう一度繰り返します。
「持続可能な開発目標」には「全ての人の人権を尊重する」という考えが含まれているのです。
もし、「子孫を残せない」という点だけを問題視するのであれば、現在の日本で結婚していない男女、結婚していても子供をもうけることができない夫婦も「持続不可能だ」となりますが、それは行き過ぎた考え方ではないでしょうか。
現在、日本でも海外でも、LGBT当事者で子どもを育てている方がたくさんいらっしゃいます。
このことから、性的マイノリティにかんする「持続可能な開発目標」は子孫を残せるか否かではなく、すべての人がその人であるがままで大切にされる社会を作っていくということだとわかります。
性的マイノリティだからいじめられるとか、差別されるとか、心無い言葉を投げつけられたり暴力を振るわれたりすることのないような社会づくりを進めていきましょう、それが性的マイノリティにかんするSDGsの目標だとかんがえます。
参考文献