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The Last Journey 〜人生最後の大きな旅

この秋で68歳を迎えたシニア。
間も無く90歳を迎えようとする母親と二人暮らし。
30年以上サラリーマンで過ごし、退職を機に実家へ戻って父親の農業の手伝いをして過ごす。その父も7年前に他界し、しばらくは独力で稲作農家を続けてきた。



3年ほど前、農作業の最中に転落事故を起こし、大腿骨骨折。4ヶ月の入院とその後の半年のリハビリでどうにか復活。
人から見れば些細な出来事かもしれないが、自分にとっては今後の生き方を少しだけ考えるきっかけとなった時期となった。
3ヶ月ほどは車椅子の生活。その後杖をついての歩行を余儀なくされた。車椅子からはコンビニの陳列棚は高すぎて欲しいものを手に取ることができない。杖をついて歩くと、今まで気にも留めなかったが、他人の歩くスピードの速い事に驚かされた。特に東京の街中では恐ろしいほどに人々は寡黙でただ前を向いて疾走のごとく突き進み、無数の人たちは寸分も違わずぶつかる事なく前へ進んでいることに驚いた。
 ”謙虚”に生きたいとずっと思ってきたつもりで、人の痛みもわかっている気がしてきたことが、怪我を機に、全く真逆で、自分の都合をのみ考えて、自分本位の生き方をしてきたのかもしれないと気づいたのである。東京の雑踏の無数の人が足早に進む様が、われ先に歩いてきた自分に投影されて、いささか自己嫌悪に陥った。

この一連の怪我が、自分をThe Last Joueneyへと向かわせたのだ。


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