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UK:化石燃料と再エネの比較

我が国では、再エネについて太陽光の他に風力発電、特に、洋上風力発電の方を推進しようという動きがあります。その洋上風力発電の課題には、以下のようなものがあるそうです。

【自然面での課題】 ①遠浅の海が少なく適地が限定的 ②台風や雷への対応により追加コストが生じる 
【社会面での課題】①漁業権、船舶交通等の先行利用者との調整が必要 ②住民の合意形成が難しく、環境影響評価法の手続も長期化しやすい ③文化財・自然公園等の区域利用の調整が必要 ④国内のサプライチェーン形成が不十分であり、コスト低減が図りにくい
 
風力発電の先行国家である英国から、自然エネルギーの現状と課題について報告しています。日本における開発の参考となるのではないでしょうか?

Fossil Fuels v Renewable Energy | NOT A LOT OF PEOPLE KNOW THAT (wordpress.com)

『Not a Lot of People Know That』(Paul Homewood著)のエッセイは、 英国の視点から化石燃料と風力・太陽光をわかりやすく比較している。英国では、再生可能エネルギーへの移行は遅々として進まず、非常に高いコストがかかっている。
 
20年間の努力の結果、風力と太陽光は英国の総エネルギー消費のわずか3%を供給するに過ぎず、補助金は2021~2022年に120億ポンドかかると予想されている。これにはグリッドバランシングのための間接的なコストは含まれていない。
 
洋上風力発電:コストが 40 ポンド/MWh まで下がっているという主張は、差金決済契約の合意価格 に基づいている。(市場参照価格≦行使価格➡発電事業者に対して補助金による「行使価格」 を保証し、逆の場合、発電事業者はその差額を政府に支払う)。近年、洋上ウインドファームの資本コストは下がっておらず、真のランニングコストは 100 ポンド/MW 前後である。
 
太陽光発電:コストは下がっているが、高緯度のイギリスでは行き詰まりを見せている。冬場の太陽光発電所の出力は公称値の2%にとどまる。太陽光が降り注ぐインドでも、政府は 断続的な電力では送電網を運用できないことを認識しており、2040年までに自然エネルギーによる発電量は11%にとどまると予測している。
 
英国では、自然エネルギーのバックアップとして天然ガスから抽出した水素を使用する場合、ガスを直接使用する場合に比べて少なくとも 2倍のコストがかかる。
 
自然エネルギーは断続性のほかに、季節ごとの需給バランスの問題がある。冬のガス消費量は約350GWでピークに達する。現在の政府計画では2035年までに45GWの風力発電容量を目標としているが、平均すると15GWで、2GW程度の場合も少なくない。


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