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バイデン政権:対サル痘、1億1900万ドルのワクチン発注を決定

サル痘感染の現状

欧米で天然痘に似た症状の感染症「サル痘」に感染したり感染した疑いのある人が相次いで報告され、新たにカナダやオーストラリアでも確認された。各国保健当局は感染の経路を調べるとともに感染拡大に警戒を強めている。

サル痘は主にアフリカでみられるウイルス性の感染症で、今月7日にイギリスの保健当局が患者の発生を発表したあと今月18日までにその数が9人に増え、18日にはアメリカでもCDCが患者の確認を発表している。

https://www.theepochtimes.com/biden-admin-places-119-million-order-for-vaccines-after-single-case-of-monkeypox-reported-in-us_4478604.html

 バイデン政権は、5月18日にマサチューセッツ州で今年最初のサル痘患者が確認されたことを受け、天然痘とサル痘の予防を目的としたワクチン数百万回分を発注した。
 
サル痘は、通常アフリカに限定されるウイルス性の病気だが、5月初めから数カ国で報告され、25人以上の患者が確認されている。
 
デンマークに本拠を置くバイオテクノロジー・グループのバイエルン・ノルディックは5月18日、この受注を発表した。同社は、液体天然痘ワクチンのバルクを、保存期間が改善された凍結乾燥型に転換するよう促している。

バイエルン・ノルディック社は、米国政府との過去の契約に基づいて、すでにバルクワクチンを製造し、請求書を発行していると述べている。このワクチンは、米国では「JYNNEOS」という名称で承認されている。
 
今回の受注は、ジンネオスワクチンの119百万ドル分に相当し、2023年と2024年に製造・請求される予定。
 
この契約では、バイデン政権は1億8000万ドル相当の別の発注をするオプションを持っている。それにより、2024年、2025年頃までに約1300万回分のジンネオス天然痘ワクチンの凍結乾燥品が製造されることになる。これらの用量に対応するバルクワクチンの大部分は、すでに製造され請求されているという。
 
その後、Bavarian Nordic社は5月19日、同社の天然痘ワクチンを「ヨーロッパの非公開の国」に供給すると発表した。欧州では天然痘用に「IMVANEX」の名称で承認されているが、以前はサル痘用に適応外投与されていたとのことである。
 
米国食品医薬品局(FDA)は2019年9月、同社のワクチン「ジンネオス」を、18歳以上の天然痘およびサル痘疾患の予防に用いることを承認した。このワクチンは、"天然痘またはサル痘のいずれかの感染リスクが高いと判断された人が利用できる "ことになる。
 
FDAは当時、"これは現在FDAが承認している唯一のサル痘病予防ワクチンである "と述べていた。
 
FDAの生物製剤評価研究センターのピーター・マークス所長は当時、伝染力の強いウイルスである天然痘を "意図的に放出することは、壊滅的な影響を与える可能性がある "と述べている。
 
バイエルン・ノルディック社社長兼CEOのPaul Chaplinは、現在の欧州におけるサル痘の状況を「保健当局による迅速かつ協調的なアプローチが必要な状況」とし、「当社はこの緊急事態を支援できることをうれしく思います」と述べた。
 
2004年、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は、化学、生物、放射線、核の脅威に対処するためのワクチンやその他の対策を開発する民間企業を奨励する政府の取り組み「バイオシールド計画」の一環として、天然痘ワクチン研究のために1億ドルの契約をバーバリアン・ノルディック社に与えたことがある。
 

増加するサル痘の患者数

米国疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention)によると、ヒトのサル痘は天然痘に似た症状を示すが、より軽度なものです。感染すると、発熱、頭痛、筋肉痛、疲労感などのほか、皮膚病変が1カ月ほど続くこともある。
 
発熱後、しばしば顔から始まり体の他の部位に広がる発疹が出ることもある。サル痘はリンパ節が腫れるが、天然痘は腫れないとCDCはホームページで述べている。
 
複数の国の当局が、感染者の大半は他の男性と性交渉を持つ男性であると報告しているが、どのように感染したかはまだ確認されていない。世界保健機関は、サル痘は "呼気中の大きな飛沫を介した飛沫曝露、感染した皮膚病変や汚染された物質との接触により感染する "と述べている。
 
イタリア、スウェーデン、オーストラリアはそれぞれ、5月20日に今年初めてサル痘の患者を確認したと報告した。
 
カナダでも5月19日にケベック州で最初の2例が報告され、モントリオール広域圏で17例の疑い例を調査した。
 
米国では、5月18日にマサチューセッツ州で1人の患者を確認した。また、ニューヨーク市では、5月19日に男性が症状を訴えて病院を受診し、サル痘の疑いがあるケースを調査している。
 
また、5月19日には、スペインから7人の患者が報告され、ポルトガルは確認された患者数を14人に更新した。スペイン、ポルトガルともに、サル痘の疑い例が40件以上発生している。同日、フランスでは、パリ/イル・ド・フランス地方で最初の疑い例が報告された。
 
アフリカ以外で初めて患者が報告された英国では、9例のサル痘患者が確認されている。英国での最初の症例は5月7日に報告され、ナイジェリアに最近渡航した患者が関与しているようだ。


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