ビル・ゲイツ:オミクロンは細胞性免疫を付与する一種のワクチン...
ビル・ゲイツ氏が、再びパンデミックが起こると予測、撲滅ワクチンへの期待を表明したということです。
億万長者のビル・ゲイツ氏は、「SARS-CoV-2オミクロン亜種は、COVID-19ワクチンよりも早く世界中に広がっており、この亜種は人々に細胞性免疫を与える一種のワクチンである」と語った。
また、2月18日には、「再びパンデミックが起こるであろう。次こそはやるべきことを共有したい」と述べた。
以下、ゲイツ氏の発言を箇条書きに並べてみます。
Q: COVID-19に打ち勝つために、現在の状況をどう評価するか?
A: このウイルス自体、特にオミクロンと呼ばれる変異型は、ワクチンの一種であり、B細胞とT細胞免疫の両方を作り出す。オミクロンは、我々のワクチン開発よりも効率的に世界の人々に浸透していった。
B細胞やT細胞による免疫は細胞性免疫とも呼ばれ、抗体とは別の免疫機構を構成している。Nature誌に発表された研究では、免疫系のT細胞は「過去に遭遇した他のヒト・コロナウイルスを記憶する」ことによって、COVID-19に対する防御を提供する可能性が示唆されている。
一方、医学雑誌「Cell」に発表された研究によると、「SARS-CoV-2は広範な指向性と機能的に充実したメモリーT細胞応答を誘発し、自然暴露または感染によって重症COVID-19の再発を防ぐことができる」という。
Q: COVID-19重症化のリスクについて?
A: SARS-CoV-2ウイルスの様々な亜種に曝露されたことによって、重症化のリスクが劇的に減少している。アフリカの国々で血清調査を行うと、80%以上の人がワクチンや様々な変異型に感染している。その結果、高齢者や肥満、糖尿病に関連する重症化の可能性が劇的に減少した。
2021年11月に、オミクロンの変種が特定されて以来、世界中に急速に広がり最も支配的な変種となったが、一般的にその症状は軽いといわれている。
Q: ワクチンや治療薬の開発について?
ゲイツ氏は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じて、ワクチン研究に投資を続けてきた。
A: 今日、COVID-19ワクチンの需要を上回る数のワクチンがある。今回、ワクチンの開発には必要以上の時間がかかった。次回は、6カ月程度に短縮すべきである。mRNAを含む標準化されたプラットフォーム・アプローチを使えば可能になる。治療薬に関してはあまり上手く行かなかったが、2年経った今になって、はじめて良い治療薬ができた。
Q: パンデミックの再来については?
A: またパンデミックは起きるだろう。次は違う病原体になるだろう。現在の病原体であるSARS-CoV-2ウイルスについても、より典型的な季節性インフルエンザのレベルでのリバウンドが起こる。
Q: 現在のワクチン接種では感染を防止できない点について?
A: 我々は撲滅するための手段を持っていない。インフルエンザやコロナウイルスなどの呼吸器系ウイルスを駆逐するために、ワクチン開発に資金を割くべきである。今後10年で撲滅ワクチンを考え出すことができればという願望を持っている。普遍的なインフルエンザワクチンに関する多くの研究がなされているので、非常に有望に思っている。
ゲイツ氏のビル&メリンダ・ゲイツ財団は、1月19日、英国のウェルカム・トラストに3億ドルを拠出し、「疫病対策イノベーション連合(CEPI)」を支援することを約束した。この連合は、ノルウェー、ドイツ、日本、インドの各政府と、ゲイツ財団、ウェルカム財団、世界経済フォーラムによって5年前に結成された。中低所得国にワクチンを届けるためのCOVAXと呼ばれる世界的なイニシアチブを共同主導している。
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