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芸大の卒業制作展に行って

京都芸術大学の卒業制作展に行ってきました。

数百点の卒業制作全品が掲示されているとのことです。北白川の小高いキャンパスを全面に使ってレイアウトされているので、まわるのも一苦労。5時間がかりでまわりかなりの運動になりました。

狙い

1.デザインのアウトプットの勉強に
デザインを始めてこの1年間はとにかくインプットの量を増やしてきました。教材はたくさんあるので質より量で。今後まとまったものを作るのに、卒業制作展は参考になります。

2.採用のために
シンシアでは芸大生の新卒採用をしています。人となりや想いは私がみるのですが、作品や技術についてはデザイナーに任せっきりです。他の学生のレベル(相場)を知っておくともう少し突っ込めると考えました。

3.商品開発のヒントを
プロダクトデザインやインテリアデザインは、そのまま自社が企画したり仕入れたりするものに繋がっていたりします。

総論

大きくわけるとデザインとアートがあり、ユーザーを意識したデザインはまだわかりますが、自己表現であるアートについてはなかなか言葉にできません。見たデザインについて仕事目線で感じたことを綴ります。

1.広い世界を見ている
勘違いしていました。学生は社会と遠いところにいると。そんなことはなく、社会人の方が社会を自らの仕事の周りだけにしており、ユーザーとしての学生の方が視野が広いと感じる作品が多々ありました。
またBASEで販売していたり、InstagramのQRコードの掲示があったり作って終わりじゃないのもさすがというかそりゃそうかと感心しました。

2.社会問題起点のものが多々ある
純粋というか。LGBTやひきこもりなど社会が抱える課題にデザインでアプローチするというものにはストレートに感動しました。

3.コミュニケーションを作る
一部、外部講師の講評を聞きました。それはどんなコミュニケーションを生むのかという指摘と回答に納得しました。伝統と革新や、旧世代と新世代、利害対立者などの理解や対話を促す機能が求められていました。

各論

デザイン

愛媛の古民家(祖母が住む)のセルフリノベーション。やってのけているのに驚きました。起点は独居、孤独死などの課題でした。

心の課題のある方向けの洋服、雑貨。高校時代ひきこもりだったという作者と話しました。ぬいぐるみを触ることで落ち着く方は多い。同じ悩みの方が作ったものだと使いやすい。など。クラウドファンディングなどですでに売っています。あと、その方が積極的に来場者に案内をしてたのも印象的でした。変わったんだろうなと。

可動式の壁で間取りが変えられる家。最近調べていたオランダのシュレーダー邸にもこの機能がありましたか、コロナで一層メリットが増したようです。

病院をポジティブに受け入れるためのヴィジュアルデザイン。情報デザインの真骨頂と感じており真似したいアプローチです。

終活も意識して人の持ち物をリスト化。デジタル化されていました。これは会社のモノや、モノ以外でも使っているソフトやその人の内的なもの(スキルや価値観)を可視化してもいいと思いました。

伝統文化の再デザイン。忘れられないように、新しい価値や見方を見出すように。百人一首は今後も高校の授業中などでされ続けるのだろうか、和歌は覚えるのだろうか。学びの形は変わっていくので伝統の表現も何かしら変わっていっておかしくないと思いました。

アート

陶芸や絵画もひととおり見ました。いいなと思うものはあってもなかなか良さを言語化できませんでした。来年はわかるようになっていたい。

ポートフォリオや設計過程があればまだわかります。

まとめ
とにかくまだまだインプットが足りないことがわかるので、もっともっと見ていきます。月末は別の芸大。佐藤可士和展も石岡瑛子展も蜷川実花展も行きたい。デザインあも行きたかった。

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