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ある土曜日の海時間

遠くに聞こえるアラームの音。
ぼやぼやと部屋が見え始めるがまだ薄暗くて少し肌寒い朝。
温もりが残る布団からなかなか抜け出せない。

7時前か。
まだ時間は大丈夫そうだ。

さて、今日の波はどうなんだろう。
あまり大きすぎない方がいいな。
どこのポイントにしようか。
とりあえず準備しようかな。

コーヒーを淹れて前日に買ったお気に入りのチョコデニッシュを庭で頬張る静かで贅沢な時間。
ホストファミリーが飼っているスタンダードプードルのエリーがしきりにねだってくるのを宥めてる。

もう少しゆっくりしたいな。

陽も登っててきて黒いTシャツが熱くなるのを感じる。
いつもの荷物を車に積んで、

「今出た!」

と連絡しては今日の気分にぴったりな曲をしばらく探す悪い癖。

周りが聞こえなくなるくらいに音量を上げて聞く、ゆるくアップテンポな曲はいつになく気持ちを高ぶらせてくれる。

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20分ほどで海沿いの道にでて崖の上からポイントを定める。
海が見えただけでワクワクが止まらない。なんでこんな気持ちにさせてくれるんだろう。

合流した友達とも挨拶を交わし足早に着替えて早速海に向かう。

今日の波もものすごく楽しそうだ。

足先から伝わる水温。


入水から一気に沖まで行く勢いで、ウェットスースの隙間からひんやりした海水が入ってくる。

沖まで出てからサーフボードの上で一息付きながら波を待つこの静かな時間がいつもよりゆっくりと感じれる。

陸からより少し近づいて見れる地球の端っこは果てしないようで近く、眺めていると吸い込まれそうだ。

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海に入るといつも穏やかな気持ちになれるし、まさに「今」を生きるそんな感覚になれるし、心を解放できる。

そして海の上ではネガティブな要素は全てポジティブに浄化される。

様々な波の音が聴覚を通して脳から「自分」をリセットしてリラックスな気持ち人させてくれる。

海から上がると既に沢山の人が各々の海の時間を有意義に過ごしている。

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昔から地元に愛されているビーチ沿いの老舗ドーナツ屋さんで買ったドーナツの甘みが、海水を含んだ口の中でより強く染み渡る。


ゆっくり食べて最後の一欠片を頬張りながら

「また明日も行くか」

って、そんな感じの土曜日の海の時間。

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この記事を書いた人:mikey




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