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メタ学習

宮崎北高校でPythonの実習を担当させて頂きました。RaspberryPi ZeroにRaspbianをインストールした直後からなので、linuxのシェルやエディタの使い方も。冒頭で(いつも話してることなんですが)、このスペックのマシンを10年前に手に入れようと思ったら幾らかかるのか、そして今のスマホ一台がほんの30年数前のスーパーコンピュータを凌駕する計算性能を持っていることを説明しました。

いかに世の中の変化が早いかを強調した上で、最新の技術の片鱗に触れて貰う訳ですが、しかしそれは同時に、今学んだ最新の技術が10年後にはとっくに陳腐化していることを示唆することでもあります。

恐らく「10年後も共通して使える」と今言えるのは「学ぶ方法」の学び方くらいです。文科省のプログラミング教育必修化の隠れた狙いの一つはここにあると私は思っています。ただでさえ多忙な教師に、そんな新しいことをする余裕があるか、と反発しながら渋々取り組む学校と、教師が自ら情報を集め、試行錯誤しながら周囲の知恵と技術を集め、少しでも子どもたちに機会を与えようとする学校とに分かれつつあるのではないでしょうか。

後者の組織では、「先生でも知らないことがある」というのが公然の事実になります。今は知らなくても、学び方を知っていれば「知っている」に変えることが出来るという体験を生徒たちは目の当たりに出来る訳です。うまくいかないこともあるけど、それをどう乗り越えるか、ということも。今日の実習中も(写真の左端にちょっと見切れてるように)、実は先生方も生徒と同じ課題に取り組んでくれていました。そして、私が十分に説明せずに次に進んでしまった箇所を後から拾って、生徒たちに分かりやすい言葉で丁寧に解説を追加してくれています。一緒に学んで、少し先に進んだら後続に手を差し出して、というスタイルが自然に出来ていていました。(私の説明の拙さを反省するとこでもありますが…助かりました。

どんな緻密なカリキュラムを用意しても、すぐに古くなることが自明なら、生き残れるのはこうした組織だけだと思いませんか?こういう狙いもあってのプログラミング学習なのではないかと考えています。


最後に宣伝。(私の出張のない)木曜日に「もくもく会」というスタイルの勉強会をやっています。これまでは本当にもくもくするだけの会だったのですが、今年から初心者の方にも門戸を開くべく、なにをしたらよいか分からないという方向けにプログラミングの課題を用意して提供したいと思います。Rubyの他に、Python、Swift、Kotlin、JavaScript、BASIC(IchigoJam)あたりを取り揃えてお待ちしています。高校生には負けてられない!


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