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大丈夫、君は君がいいから。

クリープハイプについて書こうと思えばいくらでも書けてしまう。

この企画が決まってから、思いついたことをiPhoneのメモに残していたら、読みきれないぐらいの長文になり、しかも読み返してみると、どれも本当にクソ寒い。

『好き過ぎるものに対して語ろうと思うと、熱量が高すぎて、全然うまく纏まらない』
最近読んだ本に、そんなことが書いてあるのを思い出して、吐き出した文章を別のメモに移し替えてなかったことにした。(どこかで使えるかもしれないと思い、消すことはできませんでした…)

白紙のメモを出してきて、↑の文を考えた後、公式サイトを開いた。

公式サイトには「あなたとクリープハイプしか知らない特別な思い出を綴ってください」とある。


…はたして本当にそんなものあるのだろうか?

ライブにしても、沢山のお客さんが周りにいる中でライブを観ているし、曲やラジオにしても、私だけではない不特定多数の人の心に届いている。

私が一方的にクリープハイプだけに寄せている思いはあっても、クリープハイプから私だけに向けられた思いは、本当のところ一つもないのではないか、、、と思ってしまう捻くれた自分がいる。

…なのになぜか、いつもライブに行くと1対1だと思える瞬間があるし、ラジオを聴けば、いつのまにか会話の中に参加し、頭の中で相槌を打ち、時には声に出しメンバーと話し込んでいる自分がいる。(側から見ればやばいやつ)

このバンドを好きになって、ただのいちロックバンドを好きになっただけだとは思えないほど、色々なことに気づかせてもらい、感じさせてもらった。

文章を書く機会が増え、本を読むことも以前に比べると格段に増えた。

自分の視野を広げてもらったし、自分が大切に想い、大事にできる範囲を教えてもらった。

これはこうしておかないといけないとか、これができないとダメとか、自分の中で何となくあった絶対的な縛りは、クリープハイプに出会い、尾崎さんの言葉をきいて、恐る恐るそこから抜け出してみても、特になんともなかった。

"チャーシューを作る時、タコ糸を巻かないと綺麗に出来ません。と一度レシピで見てから、律儀に縛り続けていたタコ糸は、巻かずに作ってみても、味も見た目も対して変わりはなく、凄く美味しい。(こういう文を書いてみたかったけど、私にはまだ早かったみたいです…)"

誰かが決めた常識から外れた人を、変わり者とするのなら、普通の人になれなくてもいい。
クリープハイプを好きな人をメンヘラと呼ぶのなら、メンヘラの意味を変えて【メンタルがヘラクレスオオカブト並みに強い人】と私の脳内で変換しといてやる。(よごれモン8話参照)

あまり器用ではなくて、色々なことに興味を持ってみても、どれもうまくいかず、何に対しても消極的だった私を、大丈夫、という気持ちにさせてくれたのが尾崎さんだ。

やる前に考えすぎて、失敗する妄想ばかりしすぎて、結局やる前に諦めていた私に、考えすぎることは悪いことではないと教えてくれて、失敗しても別にいいやと思えるものをくれたのが尾崎さんだ。


最初に書いたように、私は不特定多数の一部で、私に向けて書いてくれた曲もなければ、演奏してくれた曲もない。

でも、だからクリープハイプと繋がれた。
めんどくさがりの私が、東京まで夜行バスで9時間かけてでも会いに行くのは、他にもクリープハイプを好きな人がいるからだ。

もし仮に、私1人だけの為にライブをやってくれるとなっても、緊張と気まずさで目が泳ぎまくるし、変に気を遣ってクリープハイプのファンではいられないと思う。



まだまだ先だと思っていたら、いつのまにか迎えていた幕張1日目。
初めて行った幕張メッセは会場のでかさにビビって緊張で吐きそうになった。

座席はYブロックの8列目(真ん中ブロックの8列目)という何とも言えない場所だったけど、座ってみると、モニターに映されたクリープハイプがよく見えた。
舞台にいるクリープハイプは人形くらいの小ささだったけど、目も合わなければ、手をあげてノっていなくてもバレない、私にとっては最高の座席だった。

結局、私は前過ぎず後ろ過ぎない、中途半端な座席で観るクリープハイプが1番好きだ。

そのライブで観たクリープハイプは、アリーナで観てしまったら、大きすぎてきっと遠くに感じてしまうんだろう、と予想していたそれを覆す、今までで1番近く感じる、優しいライブだった。(周りの人からもそれを感じ、これからクリープハイプはもっと大きくなるんだろうな、と別の意味で遠く感じたし寂しくもなったのだけれど)

なので「わたしとクリープハイプしか知らない特別な思い出」はある。
忘れてしまうぐらい些細な、何でもないような思い出も、ただの特別な思い出も沢山ある。

たとえクリープハイプが知らない思い出でも、私にとってはクリープハイプとの思い出になるし、逆にクリープハイプだけが知っているわたし(不特定多数)への思い出もきっとある。。。はずだ。。。たぶん。。。

だから、クリープハイプとの距離は近くなくていい。
見えてるか見えてないかわからないぐらいの中途半端な距離感で、これからも不特定多数の一部として、クリープハイプを側で見て生きたい。

クリープハイプからもらったものがありすぎて、返せる時は返したい。
結局、だらだらと纏まりのない文になってしまったけれど、今の私が書ける最大限が書けたと思う。
こんな文章で返せているとは思えないけど、大分遅れたお歳暮だと思って受け取ってほしい。

先日の幕張メッセでこんなことを言ってくれた。

『こんなバンドを見つけてくれてありがとう』

尾崎さんはそう言った。

それを聴いて、声出しが解禁されたからといって、ああいった場で大声をだして叫ぶということが出来ない私はもどかしくなった。

なので、あの時の返事をここでさせてもらいます。

私は、クリープハイプが居てくれたから見つけられたんです。

仕事を辞めてからぼーっと過ごしていたコロナ禍、タク飲みと称したオンライン飲み会の『七夕特別篇 あなたの願いを叶えて一節歌います』という謳い文句になぜか妙に惹かれ、ファンクラブに入会した。
あの日の自分を自分で褒めたい。

私は捻くれてるから、駅前で弾き語りしてる人がいても、うるさいなって思って通り過ぎる人間で、きっと昔の尾崎さんが弾き語りをしている姿を見ても立ち止まることはなかったと思います。なので、なぜクリープハイプを見つけられたのか、私にもよくはわかりません。
でも、私が好きになる頃にはもう大人気のバンドだったから、私みたいなやつのところまで届きました。

休みの日は引きこもってるし、友達も1人しかいませんでした。
そんなコミュニティーの狭い人間のところにまでちゃんと届けてくれたのはクリープハイプだけでした。
人と繋がりたいと思えたのはクリープハイプに出会ってからです。

居てくれて、ここまでバンドを辞めずに続けてくれて、本当にありがとうございます。

だからわたしはクリープハイプを見つけることができました。

幕張で見たクリープハイプは、今までのどのライブよりかっこよかったです。

今から大阪城ホールで、もっとかっこいいクリープハイプを観てきます。

それでは、また。

追記:
ツアーファイナル、否定派だった手を、今日のライブで挙げました。
めちゃくちゃ後ろの席で、挙げてもバレなかったので…

…めちゃくちゃ楽しかった。

これからは挙げたい時は素直に挙げようと思います…
前の方の席では無理ですが…