Anju

日々思ったことを書いたり書かなかったりしています。

Anju

日々思ったことを書いたり書かなかったりしています。

最近の記事

いつの間にか

いつの間にか、新しい音楽を聴くことよりも、昔を懐かしむように聴く音楽が多くなった。 いつの間にか、文字が滑って滑って追えなくなって、本が読めなくなった。 いつの間にか、吐き出すことが苦手になって、心を言葉にして、文字にしてが難しくなった。 日々衰えていく自分の感性に、20代前半の終わりに、焦る。 焦ったって無駄で、本を読む人も音楽を聴く人も文字を書く人も、積み重ねだからこそ出来るのだ。 怠ってブルーライトに溺れて生きたわたしが私に返って来ただけなのだ。

    • サンタクロースは居る

      2019年、12月25日。クリスマスの朝。神奈川と東京の狭間にある、アパートの一室。私は、かつてあの寒い岩手の家で、ストーブの前に座りながら包装紙を剥いたことを思い出していた。 包装紙の紙の匂い。ビリビリ、と空気を裂くような音。ふかふかのパジャマを着て、心を躍らせながらサンタクロースを信じていたあのクリスマスを。 私は、小学五年生までサンタクロースを信じていた。小学五年生のクリスマス前夜、母の車のトランクに大きな大きなぬいぐるみが積んであり、「サンタ、居ないんだな…」と理

      • 夏の孤独へ

        猫が飼いたいという願望が強くなった。夏のことである。 私は猫アレルギーであったがどうしても猫といたかった。 その夏はなぜか孤独な気がしていたし(実際にそうだったかといえば思い過ごしなのかもしれないが)、そばにいてくれて、私がいないとダメなのだと思わせてくれる、私の生をこの世で引き留めてくれる「何か」が欲しかった。私が死んだらいけない理由を、既成事実でいいから作りたいと願っていた。 それが猫だったのだ。 私のほかにこのような感情を持った人間の話は聞いたことがない。理由とし

      いつの間にか