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メーキング・オブ・「貴婦人と泥棒」

2021年最初の仕事は、上田市に拠点を置く劇壇百羊箱の公演「貴婦人と泥棒」のチラシです。完成版がこちら↓  


今回は、このチラシがどのようにして作られていったのかをご紹介します。

↑最初の打合せ段階でのラフスケッチです。このチラシを作り始めたのが2020年12月20日でした。この日にmiuroさんとオンライン会議をしました。普段、夜ノ帳社はすべてのやりとりをLINEでしており、オンライン会議はおろか電話もしないのですが、今回は納期がタイトだったため、オンライン会議を2時間ほどやりました。このとき、本公演の劇作・演出をつとめる岸亜弓さんに事前に行ったインタビューの内容より、「川」というのをイメージの核に据えることになりました。

↑ラフイメージをmiuroさんがさらに描き込んだものです。川は俯瞰で描くことと、登場人物を全員描くことになりました。

↑少しずつ登場人物を描き込んでいきます。川を流れているのは主人公。絵巻物のように、1つの画面に同一人物を何回も登場させることにしました。

↑さらに描き込んでいきます。この時点での川の色は「メロンソーダの川とかいいんじゃない?」という藤澤の荒いリクエストが反映されています。

↑登場人物のおおまかな配置を決めました。また、画面右下に上田のシンボル・太郎山を描きました。画面上部に見える街は神戸の街。神戸から上田に流れ着くという構成です。川の色にグラデーションがかかってきました。

↑川を横切る鉄橋のラフスケッチが入りました。「川を何か横切るものがあった方がいいんじゃない?電車とか?」という藤澤の荒いリクエストが反映されました。また、川の曲がり方を少し急にしました。

↑miuroさんの手により、それぞれの人物が描き込まれていきます。また鉄橋も描き込まれました。鉄橋のイメージは、上田電鉄別所線の鉄橋です。

↑川を流れる主人公も描き込まれました。前の画面では、荷物を積んでいたのですが、何を載せてもしっくりこなかったので、身一つで流れることとなりました。

↑川辺の登場人物のサイズを少し小さくしました。また、太郎山に合わせ次郎山も描きました。タイトルなど文字の色を変更しました。

↑タイトルロゴをいじっていきます。また、「一番手前のタバコを吸っている人物は、なんとなく顔が見えないほうがいいと思うんだ」という藤澤の荒いリクエストが反映されました。

↑川を流れる主人公を気持ち小さくしました。また、分かりにくいのですが、背景をドット柄にしました。

↑タバコの煙を画面全体に描きました。これで完成です。

今回、チラシ作成の時点では台本があがっていなかったこともあり、チラシには戯曲の内容というよりも、どちらかというと劇作・演出の岸亜弓さん自身について描くことになりました。そのため、リサーチとして、岸さんには2回対面でお話をお伺いしたほか、プロデューサーの伊藤茶色さんにもお話をお伺いしました。また、全く意味はなかったのですが、リサーチの一環として、上田市にある神戸川(こうどがわ)に行ってきました。


(藤澤)

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