短編|風がからだにあたっているうちは
風がからだにあたっているうちは
からだに風があたっているうちは、風がどこから吹いてきているのかがわかるから道には迷わないけれど、風がやむと途端に穴を掘ったり、ぐるぐるまわったり、天にむかって叫んだりしはじめる、これはなんの習性でしょう。
山羊。
ロバ。
犬。
ネコ。
にわとり!
ぜんぶちがう。
それはぜんぶちがう。
アリとヤマアラシ。
ジュリはそう習った。
追い風に乗せて口笛をふく。リコーダーでもオカリナでもジュリはそのメロディをふける。
この地点から下に見えるもの。
さ