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棚|よるの木木

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#批評

クロスレビュー「アンディ・ウォーホル・キョウト」(京都市京セラ美術館) 2/3

引き延ばされる同一性、ドッペルゲンガーとしての「影」 文:よるの木木 黒地に赤、青地に紺、黒地に黄色、右手に葉っぱのような形が浮かぶ、「ANDY WARHOL KYOTO」展で横並びに展示された三作は、どれも「影」と題される。著名人から商品ロゴや事件まで、何を示すのか一見わかりやすいアンディ・ウォーホルの作品のなかでは、ぱっと見なんだかわからない「影」シリーズは異色に見える。 光の角度や場所によって、伸縮し、濃淡を変え、形がゆがむ影という存在は、自分の写しであるはずなのに