ポケット屋敷の探し物57 アクリル板に覆われた中庭

随分様子が変わった中庭。
アクリル板の天井の遥か上に広がる空は少し夕日の黄色を含んでいる。
紫穂は造花をしゃがみ込んで見ている。
「どんなに自然を演じてもやっぱり人工的な風ね。所詮人は自然の一部であってそれを超えるなんて無理なのよ。」
と神経を逆撫でするような香り付きの風に怒る逸美は皮肉を言った。
「ちょっと!美和子何処行くの!?」
美和子が奥へ走っていくのをローラが追いかけた。
「あっ!!」
美和子とローラ、奥へ行くなり2人揃って大声をあげた。
「これって…。」
みんなは2人を追って奥まで着き言葉を失った。
何故なら木の奥のアクリル板は深緑色をしていて一切外の様子が分からないし、ここで何が起きているのか外から確認できないようになっているからだ。
しかも、そのアクリル板に触れられないような配置で木が並び、その木もよく見ると造りものでそれらは高さ1m程の花壇の上から立ち並び、更に前に透明なアクリル板が張られて木に触れることすらできなくなっていた。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a