ポケット屋敷の探し物79 カーテンの向こう

「あのぅ、千佳奥様のお部屋なんですが何か手がかりがないかと…。」
司が言葉を添えたら秀一はハッと目を開けてすぐホッとしたように表情を緩め、そしてペコペコ頭を下げながら、
「申し訳ございません!てっきり子供部屋かと早とちりお許しください。」
「仕方ないですあんな事件のせいで過敏になるのは当然です。」
とすかさず逸美が秀一を庇った。
「うーむ、少しだけなら…私めの時間が許す限りですが…。」
「ありがとうございます!」
6人は秀一にお礼を言って千佳奥様の部屋に案内してもらった。
部屋は開いていて、リモコンキーが千佳奥様のベッドの枕元に置かれていた。
「何故千佳奥様は鍵を持たずに部屋を出たのかしら?」
紫穂が不思議そうに口元に手を添えた。
「掛け布団も捲れ上がっているわ!よっぽど急ぎの用事でもあったのよね。」
司は布団の捲れ具合をじっくり見ていた。
「あれ?アコーディオンカーテンの向こうって確か旦那様のお部屋でしたよね?何故カーテンが全開になっているのでしょう?」
奈々が尋ねた。
「絶対犯人がいたのよ!」

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a