ポケット屋敷の探し物74 密室から消えた和恵

「ややや、まさか!まさか影の人が!?」
紫穂が口の前に手を当てて震えていた。
「でも扉も窓も全部鍵閉まってるし、どうやって影の人とやらが侵入できたの!?ははんまさか、影だからにゅーっとすり抜けたとか馬鹿馬鹿しいこと言うつもりじゃない?」
逸美が揶揄うようにニカッと歯を見せた。
「何よ!あなたは怖くないの!?鍵閉まっているのに和恵が消えたのよ!と言うことはこの部屋にこもってても安心できないじゃないの!」
と紫穂は泣きがこもった声で反論した。
「もしもし、扉開けてくださいます?」
「あ、すみません。」
2人の言い合いに気を取られてすっかり秀一のこと忘れてしまっていた奈々は慌てて扉を開けた。
「失礼します。」
秀一がペコリとお辞儀をして部屋に入ってきた。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a