ポケット屋敷の探し物32 響いてきたぶつかり音

案内された部屋の中央には大きめの立派なテーブルと7つの椅子がある。
「どーでも良いけど自分のことばっか。」
と重蔵に対して不満を漏らす紫穂に逸美がすかさず注意しようと顔をしかめた時、
「うわー!!ご馳走だ、やったやった!!」
大喜びしてはしゃいでいるのは美和子。
紫穂の声を掻き消すためか、逸美が怒らないように気を紛らすためか、ただ食べ物に興奮しているだけか何にせよこれ以上空気悪くすることがなくなり奈々はホッと腕を撫で下ろし、食堂の部屋中に流れるジャズに居心地の良さを覚えた。
「ガシャーンガラガラ!」
え?何の音?
突然食堂の左向こうの部屋から何かがぶつかり合うような音に奈々は驚いたのに美和子は気に留める様子なく、
「見てみて!凄いよカニの入れ物に入った天津飯に北京ダック!あの蒸籠蒸しも美味しそう!わっパイナップルの入れ物に入った杏仁豆腐!」
と料理を見回して目を輝かせていた。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a