ポケット屋敷の探し物13 目的の宝

その様子に安堵した表情を浮かべ再び話し出した。
「これから探し当てる宝は物ではないが人とも言い難い。何と見え隠れする黒い影だから。俺も最初は信じてなかったが久美が最初に目撃してずっとその黒い影が襲ってくるかもと怯えている。そいつを捕まえて俺に見せてくれたら褒美はたんまりやる。制限時間はないが全員リタイアしたらゲームオーバーだ。黒い影は動くし、今のところ実害はないが放っておくとどんなリスクがあるかわからない。かと言ってあんまり深く追及したら危険な目に遭うかも知れない。褒美は捕まえた者にやるが、安全性を考慮するなら単独での行動は避けた方が良いかも。怖いならさっきチラッと言ったけどリタイアもありだが一度リタイアしたらもうゲームには戻れない。後揃ってリタイアもやめてくれな。久しぶりであっても仲良しだったんだろ?その久美が切実に願っているんだ!勿論俺も屋敷の人間も皆安全に過ごしたいから早く捕まえて欲しい。可愛い妹を早く笑顔にしたいから宜しく頼む。」
「ごめんね、久しぶりに呼んだかと思えばそんな頼み事で。でもお願い!このままじゃ怖くて夜眠れないの。」
車椅子に座りながらも久美は深々と頭を下げた。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a