ポケット屋敷の探し物101 ブレンドされたお茶

ティールームって子供部屋のすぐ隣なのに美容を気にする紫穂はそのことをすっかり忘れてしまっていたように足取りが軽かった。
「いつ来ても良い匂い!」
扉を開けてすぐ茶葉やハーブの香りが広がり逸美がうっとりして言った。
「ねえ、こんなのあったっけ?」
奈々が奥からポットを持ってきた。
ポットの取手には金糸入りのマゼンタのリボンで括り付けられた小さな紙が付いていて、
「親愛なる7人の幼馴染へ」
と書かれてあった。
ポットの中には様々な茶葉やハーブがブレンドされたものが入っていた。
「あ、これ!」
驚いた美和子が軽く口を押さえた。
「何美和子、心当たりがあるの?」
ローラが尋ねると、
「…あしらのために用意してくれるなんて!」
と感動している様子。
「それが、どうしたの?」
期待していたことと違う答えに少し落胆しているローラをお構いなしに、
「だって、私達勝手に子供部屋を開けたから罰として掃除をあしらでやったり料理も残りもんばっかり。それなのにブランドしたお茶を用意してくれるなんて…!」

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a