ポケット屋敷の探し物86 消えていく金属の音

しかし、洞察力に優れた和恵がいなくなったのはかなり痛い。
「あら?」
下から何かが上がってくる音に奈々が反応した。
奈々は昔から聴覚に優れていてかなり小さい音でも聞き取れる。
さっきまでまた子供部屋から金属の音が鳴ってたけどその、エレベーターの音のせいで聞こえなくなった。
「ガラガラ!」
「おい!お前らここで何やってんだ!?」
エレベーターが開いた音がしたかと思ったら直ぐに怒鳴り声が響いてきた。
その声の主はいつの間にか部屋に入ってきた、久美の車椅子を押している闘真だった。
その拳はワナワナと震えている。
「お前ら!!よくも勝手に父上と母上の部屋ん中覗いたな!!」
と怒りに任せて大声で怒鳴ってきた。
まるで直ぐにでも殴り掛かろうとしているような勢いだ。
「きゃー!」
みんなで部屋を見ていたショックか、闘真の怒鳴り声に驚いたからか、久美は悲鳴を上げて泣き出した。

自分に出来るお礼はノートを充実させることです(^_^)a